2021年11月30日

  • 卒業生

平成22年度 国際関係学部 国際関係学科(現・国際学科)卒業、平成24年度 国際人間学研究科 国際関係学専攻博士前期課程修了 中島 弘象さん

中島弘象さん

サラリーマンとして、作家として

「受け身な性格だった自分が、自分から積極的にやりたいと思ったことが『フィリピンパブ』の調査でした」と中島さんは穏やかな笑顔で語る。春日井市内にある老舗印刷会社、木野瀬印刷株式会社に勤務する中島さんは、『フィリピンパブ嬢の社会学』(新潮新書)を執筆した作家の顔も合わせ持つ。
著書は、大学院生時代に行ったフィリピンパブの研究中に出会った元フィリピンパブ嬢の奥様との波瀾万丈な恋愛模様を描きながら、今まで明かされていなかったフィリピンパブで働く女性の実態を明らかにし、ベストセラーとなった。

フィリピンパブでの取材と出会い

中島弘象さん

中島さんとフィリピンの繋がりは大学時代から始まる。国際関係学科で羽後静子教授のゼミに所属し、春日井市内在住のフィリピン人女性への支援活動やフィリピンへの研修旅行などで交流をした際、どのような環境でも笑顔で幸せに暮らす姿を見て、フィリピンのことをもっと知りたいと思った。
大学4年生の終わり頃、先輩に誘われてフィリピンパブを訪れた際、若いフィリピン人女性がどのように日本に来て働いているのか疑問を持ち、大学院で研究することにした。取材のため、名古屋市中区栄にあるフィリピンパブを回っていた時に、そこで働くフィリピン人女性から話を聞き、フィリピンパブで働く女性の多くが日本人と偽装結婚をして来日していることや低所得で外出の自由もないなどの厳しい労働環境の中で働いていることを知った。最初は彼女を可哀想だと思ったが、「自分で決めた道だから」と明るく働く彼女に惹かれていき、交際するようになった。フィリピン人女性たちが住むアパートで一緒に生活をしたり、時にはブローカーに家に踏み込まれて押し入れに隠れたり、閉店後のフィリピンパブに乗り込み契約について話し合うなど、さまざ
まなトラブルに見舞われながらも取材を続けた。
「拙著を通して、『国籍や背負っているものは違っても、皆変わらず同じ人間で平等なんだ』ということが伝わってほしいです」

  • 中島弘象さん
  • 木野瀬印刷株式会社
  • 2010(平成22)年度国際関係学部 国際関係学科卒業
    2012(平成24)年度中部大学大学院国際人間学研究科国際関係学専攻博士前期課程修了

忙しくても前向きに

中島さんは現在、木野瀬印刷株式会社で印刷物の校正・在庫管理などの業務を担い、繁忙期の年賀状印刷の時期には通常の業務だけではなく、検品や納品、臨時アルバイトの面接やシフト管理なども行う。「繁忙期はとても忙しくてイレギュラーな対応も多く心身ともに疲れてしまいます。ですが、そんな時こそ部署内の人たちとコミュニケーションを取り、前向きに仕事をするように心がけています」 
忙しい毎日を送る現在も会社の勤務時間外でフィリピンに関する取材を続けており、フィリピンについてのドキュメンタリー番組の監修やインターネット記事の執筆もしている。また、著書の映画化の企画もあり、実現に向けて賛同者を募るために奔走している。

何事にもチャレンジを

中島弘象さん

学生へのメッセージは、「大学生だからこそ過ごせる時間を大切に、興味のあることにはどんどんチャレンジをしてください。新しいことに足を踏み入れるのは勇気が要ると思いますが、中部大学の建学の精神である『不言実行』の言葉のように、まずは行動してみてください」

  • ウプト219号(2021年11月30日発行)より転載

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