2022年2月28日

  • 卒業生

平成17年度 応用生物学部 応用生物化学科卒業、平成19年度 応用生物学研究科 応用生物学専攻 博士前期課程修了 杉山 元志さん

杉山元志さん

愛知のクラフトビールを世界へ

近年スーパーなどでも見かけることの多くなったクラフトビール。小さな醸造所でブルワーと呼ばれる職人がこだわって作るビールのことで、「地ビール」とも呼ばれる。愛知県犬山市に、全国地ビール品質審査会最優秀賞など多くの名誉ある賞を受賞しているクラフトビールメーカー、盛田金しゃちビール株式会社がある。杉山さんはそこでブルワーとして勤務。分業制を敷く大手メーカーと違い、商品の企画・ビールの味を決めるレシピの考案から、醸造(製麦・仕込み・発酵・貯酒)、充填、出荷までの工程全てを一貫して担う。
「ビールの醸造は微生物が相手のため、レシピ通り忠実に製造をしても、思い通りにいかないこともあります。各成分の数値だけでなく、味覚や嗅覚など自分の五感も大事にして、変化を感じた時はすぐに対処できるようにしています」
職人の目の届く範囲できめ細かく管理し醸造することで高い品質を維持している。

目指すは料理に合うビール

杉山元志さん

ビールには日本で主流のキレのあるピルスナースタイルをはじめ、世界中には約200種類以上のスタイルがあり、それぞれガイドラインが定められている。杉山さんはガイドラインを守りつつ、味わいや香りの違う麦芽やホップをブレンドしたり、地元の特産品やトレンドを取り入れたりして、日本人の繊細な味覚に合うレシピを考案する。
「目指しているのは、強い味のビールではなく、食事の味を引き立てる、特に和食と一緒に楽しめるビールです」
商品の中でもひときわインパクトのある「名古屋赤味噌ラガー」は、この地方の名産品である赤味噌を使ったビール。一見クセがありそうだが、赤味噌の旨味を生かした飲みやすくコクのあるビールで、2019年のジャパン・グレートビア・アワーズで金賞を受賞した。
「いつか海外のコンペティションで入賞できるような商品を開発したいです」

  • 杉山 元志さん
  • 盛田金しゃちビール株式会社
  • 2005(平成17)年度応用生物学部応用生物化学科卒業
  • 2007(平成19)年度大学院応用生物学研究科応用生物学専攻博士前期課程修了

他大学を卒業後、微生物について学ぶために入学

杉山さんは大阪大学工学部環境工学科を卒業後、微生物を使った環境保全について学びたいと本学応用生物学部に入学した異色の経歴の持ち主。
「生物学を学んだのは中部大学が初めてでした。生化学は自分の体や体内に取り入れた栄養がどうなっていくのかを知れて面白かったですし、微生物学と酵素学は仕事にとても生かされています」
大学院修了後は微生物を使った仕事に就きたいと思い就職活動をしていたところ、盛田金しゃちビール株式会社の求人を見つけ、お酒が好きだったこともあり、入社を決めた。

苦手なものを好きになる努力を

杉山元志さん

最初の大学では自分の学びたい分野とのズレを感じ、勉強に前向きに取り組めなかったことを少し後悔しているという杉山さん。学生に「自分への戒めでもありますが、やる前から無駄なこと、嫌なことと決めつけてやらないのはもったいない。好きなことは放っておいても上手くなります。苦手なことでも諦めずに続けていけば得意になり、好きなことに変えられれば、将来の自分の力になると思います」とメッセージを送る。

  • ウプト220号(2022年2月28日発行)より転載

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