学校法人中部大学
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研究戦略担当理事学術推進機構副機構長山本 尚 中部大学の研究は何を目指すのか。それを考えたときに思い浮かぶ言葉があリます。「20年後、30年後の大学に、数学、物理、化学、生物などの学問領域はなくなるだろう」。尊敬する大先輩の言葉です。至言だと思います。今後は、こうした既存の学問の間に新しい学問領域が次々と出てくるに違いありません。例えば、化学と生物の間に化学生物学ができたのは記憶に新しいところです。極限まで多様性を追求すれば、こうした新しい分野が無数に発生します。そうなると、若者が化学や物理など旧来の学問を人生の目標としていては、将来、行方を見失うことになります。現存の学問自身を生涯の目標とするのでは、時代に取り残されるしかありません。もちろん、生物や化学という学問はなくなっても、具体的な目標としての生物や化学の課題は残ります。 研究の入り口として、現存する学問ではなく、社会に直接結びつく生きた課題をあげることが、今後、自然なことになります。 中部大学では、そうした生きた課題に挑みたいと考えています。例えば、人間社会に役立ちたいなら、医療の新しい技術を目標にしてもいい。全く新しい生物の謎を解明することでもいい。その目標を突き詰め、成就するために必要となる道具としての学問は、生物や化学や物理、あるいは数学や経済学かもしれません。しかし、そうした目標に沿って学んだ学問は、旧来の学問とはほとんど違うと感じられるはずです。 旧来の学問の枠にとらわれない研究を展開しているのが、先端研究センター群であり、中部高等学術研究所です。創発学術院では、基盤としての重要性を増している数学をさまざまな場面で活かす取り組みを進めています。目標や夢を実現するために入り込んでいくことで創造する自分自身の新しい基礎学問こそが未来の社会では大切であり、結果的に未来の学問の発展にもつながっていきます。そういう学問の場をぜひ作りたい、そう考えています。中部大学の研究学問の枠にとらわれず生きた課題に挑む学術推進機構2022年4月1日 現在機構長(理事長・総長)先端研究センターURA組織京都大学高等研究院創発学術院中部高等学術研究所副学長副機構長(研究戦略担当理事)副機構長(学長)連携先端研究センター群研究戦略部門(研究推進企画室)領域研究センター群● 生産技術開発センター● AI数理データサイエンス センター● 環境保全教育研究センター課題対応研究センター群● アイソトープセンター● 実験動物教育研究センター● 天文台● ペプチド研究センター● 薄膜研究センター● 超伝導・持続可能エネルギー 研究センター● ミュオン理工学研究センター14

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