GLOCAL Vol.2
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1ごあいさつ GLOCAL(中部大学国際人間学研究科レポート)Vol.2を、お届けします。 中部大学国際人間学研究科は、2012年に創設22年目を迎えました。20余年の歴史を振り返りますと、東西冷戦体制の終結から日本経済のバブル崩壊を経て現在の長期デフレ、少子高齢化社会に至るまで、時代は大きく変わってきたといわざるをえません。この間、本研究科は「国際」と「人間」をキーワードに、日々、教育・研究に励み、多くの有為な人材を世界に送り出してきました。 研究科が発足した1990年代の半ば頃から始まったインターネットを中心とする情報ネットワーク化は、これまでの教育・研究環境を大きく変えました。また、新興諸国の台頭にともない、国際関係にも新たな動きが見られるようになりました。近年は日本企業の海外直接投資が進む一方で、貿易収支が赤字を記録するなど、これまでとは異なる状況も生じています。人、モノ、情報のボーダーレス化はとどまるところをしらず、ローカルな場に立つ「人間」がアイデンティティを堅持しながらグローバル社会と絆を強める動きは、今後もいっそう進むものと思われます。グローバル化は、もはや特別なものではなく、「国際」は日常レベルの当たり前の現象になっていくようにも思われます。 さて、国際人間学研究科は、2012年度も、4回にわたり大学の内外でシンポジウムを開催しました。東日本大震災を契機に日本社会を根本から問い直そうとする視点、地域の文化や歴史を再考・再評価する試み、それに地域企業のグローバル展開と大学院教育のあり方などに対して、多くの関心が集まりました。シンポジウムのほかに、学生のやる気や意欲に関する講演会も開催し、参加者から共感を得ることができました。 お手元のGLOCAL Vol.2は、こうした成果をもとに編集・作成したものです。本レポートを通して、中部大学国際人間学研究科の日頃の活動の一端がご理解いただければ幸いです。2013年3月15日 林  上(中部大学国際人間学研究科長)

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