GLOCAL vol.14
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8内モンゴル・フルンボイル市における草原観光の季節的変動に関する研究―新バルグ右旗のゲルキャンプ運営を中心にーにおけるゲルキャンプの基本現状を明らかにするため、独自の現地調査と聞き取り調査を行ってきた。世界四大草原の一つであるフルンボイル市は内モンゴル自治区の東部に位置し,総面積 25.3 km2であり,内モンゴル自治区全面積の 21.4%を占める。南部は内モンゴル自治区の興安盟(ヒャンガン・アイマグ),北と西はロシア国,モンゴル国と接し、三つの国の境界に位置している。 その結果、観光交通手段はほとんど旅行者達が自分で車を運転して来訪する。主な来訪客は中国の北京、深圳、上海等からの大都市の旅行者である。忙しい日常生活から離れ、伝統的に草原に暮らしている遊牧民の生活文化を乗馬、乳製品の手作り、羊毛を刈る等の活動を通し、自然を楽しむことを目的としている。 そして、ゲルキャンプは早いもので2010年から始まり、この地域では今までまだ8年経っていない。1年の営業期間は5月から9月末までの約4ヶ月と短く、夏季を中心に営業し、冬季は閉鎖される。おわりに 調査結果としては新バルグ右旗のゲルキャンプは季節営業であり、冬はほとんど休業している。今後、日本の観光業の季節の対応方法を参考にし、内モンゴル自治区新バルグ右旗のゲルキャンプの季節営業の特性を研究していきたい。モンゴル人自身の力で民族の文化を具体的に紹介し、フルンボイル・新バルグ右旗及び周辺観光地の発展につなげられればと思う。引用文献内モンゴル統計局http://nmgtj.gov.cnはじめに 現在中国の内モンゴル自治区では、草原の自然環境化、モンゴル族の文化を楽しむ、草原観光が行われている。 「ゲルキャンプ」は、草原観光で最重要の施設でもある。これまで、内モンゴル観光について、海外での学術的研究やゲルキャンプを観光の季節的変動という視点から考えた研究は不足している。また、中国国内の観光研究でもこのゲルキャンプのみに注目したものは少なく、モンゴル族の研究者によるものは少ない。 本研究では、草原観光の拠点であるゲルキャンプの運営の特性を明らかにすることを目的とする。その際に、季節的変動に注目する。本研究を通じて現地の経済発展を進める方法を探りたい。その際に、今研究のような民族観光について、伝統文化を観光資源として整備している日本の成果も参考としたい。 研究方法としては研究テーマに関連する先行研究や各種資料を分析し、フルンボイル地域のゲルキャンプ現地調査を行っている。調査では、主として観光営業者と観光客に聞き取り調査を行っている。内モンゴル自治区の概況 内モンゴル自治区は、中国の北部に位置し、全域の面積は、118.3km2である。人口約2,528.6万人(2017)を有し,おもにモンゴル民族と漢民族が混在する多民族地域である。地域内には,省都の呼和浩特(フフホト)のほか,フルンボイル、包頭(パオトウ),烏海(ウーハイ),赤峰(チーフォン),通遼(トゥンリャオ)など12の市と盟が存在する。草原観光とゲルキャンプ 自然と文化的観光資源が豊富な内モンゴル自治区では 1978 年からモンゴル民族の伝統的な祭りであるナーダム、乗馬や散策,モンゴル音楽の鑑賞,馬頭琴の演奏などを見ながら、大草原を楽しむ草原観光が始まった。そして、ゲルキャンプとは、草原地域の遊牧民の組立移動式テントを用いた、モンゴル民族特有の観光施設であり、草原観光で最重要の宿泊施設でもある。ゲルキャンプの運営と現状 草原地域では遊牧民の組立移動式テント 「ゲル」を用いたモンゴル特有の観光施設 “ゲルキャンプ”が急速に増加している。そのため、筆者はフルンボイル市・新バルグ右旗国際人間研究科 国際関係専攻 博士前期課程1年セレンメン中国・内モンゴルに生まれ、2015年内モンゴル大学のモンゴル歴史学部を卒業した。現在、内モンゴルのフルンボイル市・新バルグ右旗のゲルキャンプ運営を中心に、草原観光の季節的変動の実態と観光客が少ない時期の現状と問題点について研究している。図2 草原観光(筆者撮影)図1 ゲルキャンプ(筆者撮影)s

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