GLOCAL_Vol19
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10視覚的な検索(色調、明暗)、聴覚的な検索(BGM、環境音、物音)、機能の検索(移動方法、視点切り替え)を検討している。引用文献Google Art&Culturehttps://artsandculture.google.com/THE WILDLIFE MUSEUM ヨシモトコレクションVRhttps://www.kahaku.go.jp/3dmuseum/yoshimoto-vr/おうちで体験!かはくVR -国立科学博物館-https://www.kahaku.go.jp/VRVRアーカイブ VRアーカイブとは、VR(バーチャルリアリティ)データで作られている仮想空間を使った体験である。本研究では、この空間を使ってアーカイブを閲覧するシステムをVRアーカイブシステムと呼称する。また、ワールドとは、前述のVRアーカイブ空間と機能を指す名称である。機能とは、ワールドの中で自由に飛び回ることが出来ることや、美術品に近づくと詳細が出るといったものを指したのが機能である。これらの膨大なワールド群をアーカイブして利活用するのが本研究の目的である。 現在、博物館や、美術館等のアーカイブを、VR 空間で閲覧出来る環境が整いつつある。しかし、技術力・予算によってやれることがまちまちである。例えば、写真のみが置いてあるものや、手に取れるものなど様々なアーカイブ空間がある。しかし、サーバの維持ができなく、サービスを終了してしまうといった事も起きているのが現状である。また、VRアーカイブ&ワールドをアーカイビングするシステムがないといったことや、将来的にVRが普及した際、収集・組織化・蓄積・提供するものがないと収拾がつかなくなるといった問題点もある。ただし今からワールドの統一は困難であり、難しいのが現状である。 本研究では、これらの問題の中からVRアーカイブ&ワールドをアーカイビングするシステムを作り上げる利活用のために保存したものを検索出来るようにすること、これらのシステムから個人用美術館(閲覧用ワールド)を作成するシステムを構築することを目的としている。この研究を進めることで、VRワールドのアーカイビング環境について将来の利活用のための規格化された仕組みを作り出すことが出来るようになる。また、規格化されたVRワールドをアーカイビング出来れば、美術館や博物館等の施設により展示環境を含めた「閲覧しやすい形」の保存が出来るようになる。すでに終わった特別展の展示も可能になれば、副収入を得ることができ、サービスの維持にも繋がるのである。これらのシステムを作り上げる事で、閲覧者は家でVR空間に没入しながら閲覧することが出来ることや個人用閲覧ワールドを個人がもつことが出来るようになる。 何故VR空間でなくてはならないかというと、2Dで見る情報と3Dで見る情報量を比べた際に、3Dの方が多く情報量を持っているからである。実際の風景と写真では大きな差があるように、見え方としても違いが大きく出るのである。VRは、目を通して見た実際の風景に限りなく近く、見比べた際に、ものの大きさや形などを実寸大の見え方として捉えることが出来るのである。 本研究の課題としては、検索システムのデザインが難しいのが一番大きな点である。どのような検索用語が使えるか、効率的か検討する必要があるのである。現時点では感性語による検索(楽しい、ワクワクするような)、VRアーカイブ閲覧環境としてのワールドを対象としたアーカイビングシステムの研究国際人間学研究科 言語文化専攻 博士前期課程1年廣瀬 陸(HIROSE Riku)1997年生まれ。2021年4月に国際人間学研究科言語文化専攻に進学。VR(バーチャルリアリティ)を使ったアーカイブを閲覧するシステムを作成、研究をしている。

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