GLOCAL Vol.21
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1 中部大学大学院国際人間学研究科の活動レポート、GLOCAL Vol.21をお届けいたします。 本研究科は、1991年に国際関係学部を基礎に創設された国際関係学研究科国際関係学専攻をルーツとして発足しました。その後、1998年に創設された人文学部を基礎とする2専攻(言語文化専攻、心理学専攻)が2004年に合流し、名称も「国際人間学研究科」に変更されました。さらに2008年には歴史学・地理学専攻が加わり、4専攻体制となって現在に至っています。 長引くパンデミックに、ロシアによるウクライナ侵攻、世界に目を向けると、これまで予想もしなかったことが現実に目の前で起きています。一方国内では、少子高齢化の進行に伴い労働力人口が減少するなかで、リーマンショックや東日本大震災などの影響を受けつつも外国人労働者数は大きく増加しています。また、新型コロナウイルスが世界的に大流行するまでは、訪日外国人観光客数も急激な増加を見せていました。このように日本社会は、さまざまな社会・経済情勢の影響を受けながらも、それ自体が国際的な「場」として開かれようとしており、国や地域も多文化共生社会の実現に向けてさまざまな施策に取り組んでいます。 グローバル化がますます進展するなか、異文化や国際社会への理解を深め、国際的な視野をもって世界で活躍することができる人材が求められています。と同時に、多文化共生社会の実現のためには、自身が暮らすローカルな地域に目を向け、多様な人間や文化への深い関心が必要とされます。本研究科はそうした認識に基づいて、グローバルな視点とローカルな視点の両者を軸とする「グローカル」な教育研究を理念として掲げています。 本号には、教員2名の研究発表と2022年度に入学した大学院生2名の研究報告のほか、本研究科・専攻が共催したシンポジウム(講演会)や教員・院生による研究会の報告が収められています。人文社会科学の幅広い分野を研究領域とする本研究科の特徴が表れた内容であり、まさに本研究科が標榜する「グローカル」な視野に基づいた研究の一端をうかがわせるものであると言えるでしょう。 このように教員と院生が同じ誌面で相互の研究内容を共有する機会はきわめて貴重なものであり、研究科としてもますます本誌の充実を図って参りたいと思います。小誌を通して、本研究科の日頃の活動の一端がご理解いただければ幸いに存じます。 2022年10月1日大塚 俊幸(中部大学大学院国際人間学研究科長)ごあいさつ

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