GLOCAL 2025 Vol.25(Special edition)
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各専攻の紹介各専攻の紹介各専攻の紹介各専攻の紹介6心理学専攻基礎心理学領域 人の心は、物事を認識したり、状況を判断したり、情報を記憶したり、感情を調整したり、思考や想像を巡らせたり、言語を操ったりと多様な働きをしています。このような心の働きは、どのような場所でも一様ではなく、周囲の環境によって異なります。特に、誰かと一緒にいる時や集団の中にいる時など、人間関係が存在する場と一人で居るときとでは大きく違ってきます。また、身体の成長に伴って心も成長するため、様々なライフステージにおいても心の働き方は異なっており、ある時期特有の心の働きや変化が見られます。さらには、個人の人格(パーソナリティ)によっても、心の働き方は大きく特徴づけられており、個性やその人らしさとして周囲には認知されます。このように、心の基本的な機能は、様々な観点から捉えることができ、研究の対象となります。心理学はどのような観点から心を探求するかによって細かく分野が分かれており、それぞれに「〇〇心理学」という名称がついています。 本学心理学専攻では、基礎心理学領域として、周囲の環境や刺激の認識及び情報処理に関わる「認知心理学」、人間関係や社会(集団)の中における人の行動や振る舞いの特徴を探求する「社会心理学」、人の心の成長や年代ごとの心の特徴を捉える「発達心理学」について講義や研究指導を受けることができます。応用心理学領域 子どもたちを教え育てる場においては、対象をよく理解した上で、教え方を工夫する必要があります。また、人の心は、身体と同様に病や不調に陥ることがあり、日常的なストレスや悩みなどの苦悩は、心身の健康状態を悪化させるきっかけとなります。応用心理学領域では、このような人の学びや心理的苦悩に対して、基礎心理学の知見を参考に、効果的な教育及び支援方法を探求し、実践していくことを目的としています。 本学心理学専攻では、応用心理学領域として、心の成長に合わせた教育方法や学校での効果的な学びを追求する「教育心理学」、心の不調やその支援のあり方について探求する「臨床心理学」、心が不調に陥る前の予防的アプローチや健康状態の維持に焦点を当てた「健康心理学」についての講義や研究指導を受けることができます。 他にも、各領域に共通する研究手法として心理学研究法、心理統計学、心理検査法などについても学ぶことができます。これらは、科学的研究の実施やパーソナリティのような個人の特徴を客観的に把握するために欠かすことのできない知識とスキルについて学習するものです。心理学専攻の設備(新28号館5階の紹介) 様々な観点から心を探求していくためには、心の働きを客観的に計測・観察できる設備が必要になります。本学心理学科・心理学専攻は、これまで、学生が自由に使用できる心理学専用の研究設備(心理学実験棟)を構えていましたが、2024年にリニューアルされました。新たに建設された28号館に統合され、5階がこれまでの心理学実験棟に代わるフロアになります。28号館の5階には、以下のような様々な設備・器具を充実させています。 心理学専攻は、コース分けはなされていませんが、専門領域として、基礎心理学(人間の心の機能を研究する領域)と応用心理学(基礎心理学の知見を用いて効果的な教育方法や心のケアなどの実践に関わる研究を行う領域)の2つの領域があります。28号館5階心理学科・心理学専攻のフロア面接室:面接調査や心理検査の実施が可能行動観察用設備:隣室の観察が可能中実験室:集団での実験やグループ作業が可能小実験室:コンピュータを用いた実験が可能

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