GLOCAL 2025 Vol.25(Special edition)
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2025 Vol.252025 Vol.252025 Vol.252025 Vol.252025 Vol.252025 Vol.257歴史学・地理学専攻史地理学科と共催することもありました。テーマは私たちの身近な春日井地域や尾張地方を対象としたり、あるいは国際的な視野に基づく外国の諸国や地域を扱う内容など、多様な取り組みをしていて、一般市民の方々と共に研究成果を報告したり、議論を重ねてきました。このようなシンポジウムは院生にとって、研究方法や議論の仕方などを学ぶ場になっています。 主なシンポジウムのテーマは以下の通りです。「世界のまちづくり」(2011年10月5日)、「地域をむすぶ産業・生活・文化―春日井における街道と鉄道の歴史・地理について考える―」(2011年10月29日)、「林金兵衛とその時代―幕末・維新期の春日井―」(2012年1月28日)、「小牧・長久手の戦いと尾張東部」(2012年12月1日)、「震災後の人と社会」(2012年12月12日)、「下街道―歴史を生かしたまちづくり―」(2015年1月24日)、「地域の歴史・文化を探り、創生を考える」(2017年3月11日)、「庭園を読み解く」(2017年6月3日)、「中国・ヨーロッパ・日本」(2018年2月9日)、「関中平原開発史考―考古学と歴史学からみる「人と水資源」」(2019年1月24日)、「子孫が語る日米の懸け橋―ジョン万次郎の生涯―」(2022年6月29日)などです。 シンポジウムでの報告内容の多くは、国際人間学研究科の『GLOCAL』のバックナンバーに紹介されていますので、ご参照ください。今後も最新の研究成果を多くの方々に知ってもらったり、考えていただいたりするため、教員・院生がともに協力して、シンポジウムの開催を継続していく予定です。歴史学コース 世界的スケールで展開されてきた歴史的事象や日本国内において歴史的に繰り広げられてきた種々の現象に対して造詣が深く、社会や教育の場で知識を生かすことができる知的専門家や高度専門職業人の育成を目指しています。カリキュラムとしては、日本の古代から現代までの各時代史とともに、ヨーロッパ史、アジア史などの外国史と、科学史、文化史などの分野史を配しています。 博士後期課程では、さらに専門性を高め、日本中世史、日本近世地域史、日本近代外交史、現代政治史、比較経済史、東アジア思想史、ヨーロッパ文化史、科学技術史をテーマとする歴史学専門研究演習の科目を用意し、学生の研究課題や問題関心に沿って指導しています。 修士論文、博士論文の執筆にあたっては、研究指導Ⅰ~Ⅲの特別研究科目の際に、アドバイスをするとともに、授業以外でも質問や相談に応じています。 これまでの在学生・修了生は次のような研究内容を扱ってきました。「中世末期の異端審問―『魔女への鉄槌(Malleus Maleficarum)における魔女像』」、「信州の穢多・平人―近世・近代における関係の変容」、「満州事変後の天皇の統帥権について」、「19世紀尾張藩における身分的特権獲得者の政治的・社会的役割―尾張国海東郡津嶋村渡辺新兵衛を中心に―」、「十五世紀における守護・国人の権力構造とその展開―遠江国を中心に―」、「義和団事件と列強の中国政策」、「対華二十一ヵ条要求の再検討」、「国共両党の政権建設比較―1931年から1935年の江西省を対象として―」、「19世紀後半から20世紀初頭のイギリスにおける同性愛観―知識人、上流階級の視点から」、「抗日戦争時期における中国共産党の政権建設―三三制と延安整風運動の関係から―」、「戦国時代の合戦における騎馬戦闘の実態」、「織田弾正忠家の居城と城下町政策」、「戦国期今川氏の統治と政治思想―「如律令」体制について―」などになります。地理学コース 様々な地域的スケールで生じている社会、経済、文化的現象を空間的に理解・解釈できる能力を備え、その能力を社会や教育の場で生かすことができる知的専門家や高度専門職業人の育成を目指しています。カリキュラムとしては、人間と地域の関わりを重視し、経済・産業・歴史・都市地理学といった人文地理学分野とともに、地理情報、都市政策、地域政策、自然地理などの応用分野の科目を配しています。 博士後期課程では、さらに専門性を高め、歴史地域論、日本地域産業論、都市地域構造論、都市地域再生論、空間分析論をテーマとする地理学専門研究演習の科目を用意し、学生の研究課題や問題関心に沿って指導しています。 修士論文、博士論文の執筆にあたっては、歴史学コースと同様に、研究指導Ⅰ~Ⅲでアドバイスをしたり、適宜質問や相談に応じたりしています。 これまでの在学生・修了生は、次のような研究内容を扱ってきました。「近世後期における陶磁器の地域的流通の比較研究―瀬戸焼と美濃焼を事例として―」、「戦国時代の分国法にみえる地域性の比較研究―今川・六角・大内・三好氏を事例として―」、「「メイド・イン・オキュパイド・ジャパン」の史的考察―名古屋陶業界を中心として―」、「石狩川中流域廃川跡地の土地利用変化に関する研究」、「札幌市における二酸化炭素排出量の試算と低酸素化のポテンシャル評価」、「浜松市沿岸部における津波避難施設の圏域分析―避難に影響する環境条件に注目して―」、「大正昭和期における都市間地域の市街地化過程―岐阜駅周辺を事例に―」、「名古屋市北部近郊における旧字およびその領域の維持」などになります。これまでに開催したシンポジウム 歴史学・地理学専攻では、歴史学・地理学に関するシンポジウムを数多く開催してきました。国際人間学研究科の他の専攻や、人文学部歴 歴史学・地理学専攻は、時間と空間という2つの軸あるいは次元を意識しながら、最高かつ最新の専門知識を体系的に習得します。歴史学コースと地理学コースがあり、学生はいずれかを選択しますが、歴史的認識と地理的認識の融合を意識しながら、問題発見と課題解決に向けて主体的に取り組んでいきます。「子孫が語る日米の懸け橋―ジョン万次郎の生涯」の様子

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