GLOCAL 2025 Vol26
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1 中部大学大学院国際人間学研究科の活動レポート、GLOCAL Vol.26をお届けいたします。 本研究科は、1991年に国際関係学部を基礎に創設された国際関係学研究科国際関係学専攻をルーツとして発足しました。その後、1998年に創設された人文学部を基礎とする2専攻(言語文化専攻、心理学専攻)が2004年に合流し、名称も「国際人間学研究科」に変更されました。さらに2008年には歴史学・地理学専攻が加わり、4専攻体制となって現在に至っています。 2025年の日本は依然として自然環境の厳しさに直面し、体温を超える猛暑や記録的豪雨など、気候危機の深刻さを如実に示しています。これらは私たちに、人間社会の脆弱性と環境との持続的共生の必要性を改めて突き付けています。世界に目を向けると、ウクライナ戦争やパレスチナ情勢は依然として出口が見えず、台湾海峡や中東地域をめぐる緊張も高まっています。国際社会は対話と協調を模索しながらも、不安定な力学の中で揺れ動いているのが現状です。同時に、生成AIをはじめとする新しい技術革新が急速に普及し、教育や研究の方法論そのものを大きく変えつつあります。 このような時代にあって、異文化や国際社会への理解を深め、国際的な視野をもって世界で活躍することができる人材が求められています。と同時に、多文化共生社会の実現のためには、自分が暮らすローカルな地域に目を向け、多様な人間や文化への深い関心が必要とされます。本研究科はそうした認識に基づいて、グローバルな視点とローカルな視点の両者を軸とする「グローカル」な教育研究を理念として掲げています。 本誌は創刊から13年が経過し、この間、本研究科における日頃の教育・研究活動の一端を広く知っていただくために発行してまいりました。人文社会科学の幅広い分野を研究領域とする本研究科の特徴が表れた内容であり、まさに本研究科が標榜する「グローカル」な視野に基づいた研究の一端をうかがわせるものであると言えるでしょう。このように教員と院生が同じ誌面で相互の研究内容を共有する機会はきわめて貴重なものであり、研究科としてもますます本誌の充実を図って参りたいと思います。 小誌を通して、本研究科の日頃の活動の一端がご理解いただければ幸いに存じます。 2025年9月24日塩澤 正(中部大学大学院国際人間学研究科長)ごあいさつ

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