2024大学院パンフレット
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32̶̶Chubu University Graduate School 少子・超高齢社会を迎えたわが国では, 保健・医療上の諸難題に挑戦する新たな専門家が求められています。 本学の生命健康科学部では保健・医療, 疾病予防, 福祉などに関するさまざまな学問領域の知識・技術を集学的に組み入れ, このニーズに応えていますが, さらに複合的高度な専門性を修得し, より高いレベルで目標を達成するため,生命健康科学研究科(大学院)を設けております。 本研究科は生命医科学(博士前期課程), 看護学(修士課程), リハビリテーション学(修士課程), 保健医療学専攻(修士課程)の4専攻で構成されており, 「科学的根拠に基づく予防とQOL(quality of life)向上を基軸とする保健・医療の発展への貢献」と「専門性を基盤で支える総合力の修得」をキーワードとして, 幅広い学際性・総合性を基礎としつつ「予防医療」と「QOL向上」に焦点を絞った高度な専門性の修得を目指します。 また, 一人ひとりが専攻と領域を超えて科目を選択できるテーラーメイド方式により, 複数教員から研究指導を受けられます。 生命医科学専攻ではこの学問を次世代に継承し, 一層発展させる教育者・研究者を育成するため, さらに博士後期課程を設けております。 同課程は現職技術者等の社会人にも学びやすい履修環境となっています。Graduate School of Life and Health Sciences生命健康科学研究科長 城 憲秀生命医科学専攻 : 博士前期課程 博士後期課程  看護学専攻, リハビリテーション学専攻, 保健医療学専攻 : 修士課程TACHI Norihideより高い科学的エビデンスに基づく病態・疾病の原因解明,治療法の開発,予防の方略を求めて研究を進め,高度の専門知識と技術を駆使して,生命医科学・看護学・リハビリテーション学・保健医療学を科学的に発展させる人材を育成する。 広義の医学あるいは生命科学に関する学問は, 日進月歩の勢いで進化し, 今や複雑で多様に深化した知見, 発見が日々更新されています。 これらの知見, 発見や, それに基づく技術の発展は, ひとの命の延長や健康の増進に大きく役立ってきました。 このような科学の進歩により, わが国はじめ先進各国では, 平均寿命も延び, 長寿社会が構築されてきました。 しかし, 生命科学の発展が, あらゆる側面で人類の幸福に寄与したのかは見方によって変わります。 例えば, 科学の発展がもたらした長寿社会のなかで寝たきりの人々が増加したのも事実で, これを是とするか非とするかは判断が難しい部分があります。 現代の医療や科学は, 単にひとの寿命を延ばす科学からひとの生活をも考えた科学にならなければならない時代を迎えているように思います。 一方で, これだけ医療が進んだにもかかわらず, 今現在の新型コロナウィルス感染症の爆発的流行は, 新たな感染源要因に対して医療や科学が全く無力のように感じられます。 しかしながら, わが国の感染者数や死亡者数は欧米各国に比べると, 罹患率や死亡率は相当低い状況にあります。 まだまだ, 今後の検証が必要ですが, わが国の保健医療体制は決して無力なものではないと思われます。 その背景には, わが国の医学, 健康科学の発展とそれに対する国民の信頼があると考えます。 上記のような現状を鑑みると, これからの医学や健康科学は, 単に命を保証するだけでなく, ひとの生活や環境をも包含したものにならなくてはいけないと思います。 さらに, その成果に対して人々が信頼と期待をもつことができるようにならなければなりません。 生命健康科学研究科では, ひとの命の課題や問題に対して, 生命医科学, 看護学, リハビリテーション学, 保健医療学のそれぞれの立場から先進の科学, 技術に基づいて真理を究明しようとしています。 そのなかには、命そのものの基礎科学的な解明だけではなく, 元気に幸福に生活をおくるための予防や医療に関わる応用科学の研究も含まれています。 先駆的な研究とともに地域や人々と連携した実用的な研究もまた進められています。 本研究科は, 多領域の洗練された大学院教員を多数そろえており, さらにワンキャンパスの総合大学の利点を生かし, 他学部・研究科との共同研究もし易い環境にあります。 そのような環境下で, 学部で興味を持った研究テーマをさらに大学院で進展させることもできます。 社会人として, 保健・医療の現場で疑問に思ったことを大学院で研究を通して解決することもできます。 また, 臨床で集積したデータをさらに大学院で拡大し, より良い形でまとめ上げることもできます。 ぜひ, 大学院で教員と共に研究に励み, キャリアを形成し, 近い将来, 生命医科学・保健医療の分野において指導的な立場で貢献できる人物に育っていただきたいと思います。生命健康科学研究科研究科長メッセージ

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