中部大学大学院パンフレット2026
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中部大学長前島 正義MAESHIMA Masayoshi中部大学大学院をご紹介しよう大学院での教育・学び・研究を通して社会を変革4̶̶Chubu University Graduate School1954年1月静岡県浜松市出身。静岡県立浜松北高等学校を卒業後,1976年名古屋大学農学部農芸化学科を卒業,1981年同大学院農学研究科農芸化学専攻を修了,博士学位取得。1984年米国カリフォルニア大学サンタクルーズ校博士研究員,同年12月名古屋大学農学部助手,1988年北海道大学低温科学研究所助手,1990年同研究所助教授,1994年名古屋大学農学部助教授,2001年同生命農学研究科教授,研究科長,副総長を経て,2019年中部大学に着任。2020年アイソトープセンター長,2023年副学長(学術研究,評価担当)を歴任後,2025年4月第7代中部大学長に就任。一貫して,生物の生体膜で働くエネルギー変換酵素,物質輸送酵素,情報変換タンパク質の研究を進め,新しいタイプの水素イオン輸送ポンプ,植物細胞の水チャネル,生体膜情報変換分子を世界で最初に単離精製して特性を明らかにし,この分野を分子のレベルで理解する契機を与え牽引してきた。日本植物生理学会会長,日本生化学会と日本農芸化学会の中部支部長,Plant & Cell Physiology誌編集実行委員などの要職も務めた。プロフィール 中部大学は1964年に中部工業大学として出発し, 1971年には大学院工学研究科修士課程を, 1973年には博士課程を設置しています。これは全国の私立大学の中で当時14番目の博士課程設置になり, 研究を通して先端的な大学院教育を目指しました。 中部工業大学の開学から20年後の1984年には総合大学への道を歩み始め, 名称を中部大学と改めました。その後, 経営情報学研究科と, のちの国際人間学研究科となる国際関係学研究科を設置し, 続いて応用生物学研究科, 生命健康学研究科, 教育学研究科が加わり, 現在の6研究科20専攻体制となっています。急速に変わる社会 日本の社会は大きく変わろうとしています。21世紀に入った社会は第4次産業革命の時代ともいわれています。18世紀に蒸気機関の出現により変化した社会を第1次として,20世紀に入って蒸気から石油に変わった第2次,20世紀後半に急速に進んだコンピュータによる自動化を伴った第3次,そして現在,人工知能(AI)の発展とともにモノがつながる「Internet of Things(IoT)」,生成AI,量子コンピュータ,情報通信,バイオテクノロジーを含む第4次産業革命に突入しています。それに伴って地球規模で大きな変化が見られるようになりました。 世界の人口は20世紀後半から急激に増加し,50年間で倍以上になり80億人を超えています。人類の活動による温暖化にともなう洪水,旱魃,巨大台風などの異常気象,地震,生態系の破壊をともなった環境問題,食糧問題,さらにはエネルギー問題などを引き起こしています。先進国では少子化が問題となってきています。世界中を震撼させた新型コロナウイルス感染症拡大のパンデミックは,一旦終息の様相を呈していますが,いつ同様の事態が発生するか分かり得ません。国家間での紛争や戦争も生じ,多くの生命と平穏な日常生活が奪われています。そして,科学技術は目まぐるしく進歩し続けています。昨今では,生成AIが瞬く間に世界中に拡がり,我々が予想すらできなかった変化が起こっています。人類はその先の未来を考えて進まなくてはなりません。社会課題を解きほぐす力:深い専門性と幅広い視点 20世紀は大量生産大量消費により世界の経済が回っていました。しかし,21世紀となり,国内外の社会的課題,自然環境

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