国際学科パンフレット
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15専任教員LINE-UP国家規模ではなく個人や地域レベルで、いかに安心して暮らせる平和な世界をつくり守っていくかという、「人間の安全保障」が私の専門分野です。研究活動の一環として、大学のある春日井市で市民と学生が一緒に考えるフォーラムを開催し、まちづくりについての議論や、地域に在住する外国人と日本人の交流を行っています。学んでほしいのは、平和維持の難しさと、その実現のためには、友人を大切にしたり差別をしないなど、日常の人間関係をよくする努力が大切だということ。それは多文化共生社会の実現につながる、第一歩なのですから。日常の良好な人間関係づくりが、「人間の安全保障」のための第一歩。羽後 静子HANOCHI Seiko国際政治学、国際政治経済学国際ジェンダー関係論国際安全保障研究国際政治学、国際政治史、国際ジェンダー論 ほか最終学歴専門分野授業科目ヨーク大学大学院政治学研究科Ph.Dコース 修士(国際政治学)教授中野 智章古代エジプトといえば、誰もがピラミッドを連想するでしょう。しかしピラミッドの時代は古代エジプトの一部分に過ぎません。3000年もの歴史を通じて文明は絶えず変化し、そして滅んでいきました。エジプト研究の大きな魅力は、文字が残っていること。私はピラミッドや神殿の調査を行ってきましたが、発掘したモノと文字情報を合わせることで、人々の生活が変化していく様が手に取るようにわかるのです。考古学は、昔のことを調べる学問と思われがちですが、“変化”に着目して人間の未来を予見する学問でもあることを知ってほしいですね。NAKANO Tomoaki3000年続いた古代エジプトの研究を通じて変化を見通し、未来を予見する力を。エジプト学考古学考古学、西アジアから学ぶ、国際英語 ほか最終学歴専門分野授業科目南山大学大学院文学研究科博士(文学)教授田中 高ラテンアメリカ(中南米)と日本の関係は今、大変密接になっています。農水産品や天然資源の輸入も盛んですし、日本企業の生産拠点も多く置かれています。あまり知られていませんが、例えばメキシコのグアナフアトという都市には、日系企業約200社が拠点を置き、3000人もの日本人が生活しています。この街にあるグアナフアト大学と本学は協定を結び、スペイン語短期研修を実施しています。中南米に精通した人材が切実に求められる今、ぜひ現地を訪れて言語や文化を学ぶとともに、世界のどこででも生きていける強さを身につけてください。TANAKA Takashi日本との関係が深まるラテンアメリカで学び世界で生きる強さを身につけよう。国際関係学ラテンアメリカ地域研究ラテンアメリカから学ぶ、貿易論、国際協力論 ほか最終学歴専門分野授業科目筑波大学大学院地域研究科 修士(国際学)教授戸田 優男地球上に住む誰もが「経済」を離れて生きられないにもかかわらず、“経済学って難しい”というイメージが定着しているようです。専門用語がなかなか頭に入らないという人や数字が苦手という人も多いわけですが、わかりやすいイラストによる図解や現実の経済事例をタイミングよく学生のみなさんに提示しつつ、アクティブラーニングの手法なども使って、おもしろく楽しく理解しやすい経済学レクチャーをめざします。TODA Masao社会・文化現象の背景にうごめく人間模様を読み解いていくのは、とても面白い。計量経済学労働経済学経済学概論、国際経済学、国際関係のデータ分析 ほか最終学歴専門分野授業科目米国イリノイ大学大学院Ph.D.(経済学)教授中山 紀子イスラーム教徒の女性のスカーフ。トルコのある農村では、ほぼ全員が着用していますが、だれも強制はしていません。ただし男性は女性に対して、魅力的な姿を隠さなければ危険だという理由で着用を求めます。その分、男性たちはパートナーをとても大切にし、そのことが家族や親子・友人間の関係性の強さにつながっているのです。男尊女卑の象徴のように思われがちなスカーフは、男性が女性を大切にすることの表れでもある――イスラーム文化の学びを通じて、報道の限られた情報から抱く先入観にとらわれないものの見方を学んでください。NAKAYAMA Norikoトルコ女性のスカーフ事情の裏にあるのは、お互いを大切にする濃厚な人間関係。文化人類学トルコ地域研究地域研究入門、文化人類学入門、宗教人類学 ほか最終学歴専門分野授業科目総合研究大学院大学文化科学研究科博士(文学)教授西南シルクロードにあたる中国雲南省、都市部から隔絶された山奥の秘境に暮らす少数民族“ナシ族”。その音楽を現地で初めて聴いたときは、驚きました。壁画でしか見たことのない楽器を使い、漢民族の宮廷音楽を演奏していたのです。そして、それらの楽器と同じ形のものは、なんと日本の正倉院にも残されています。はるかに離れているのに、1300年の時差もあるのに、「なぜだろう?」という好奇心とワクワクする気持ちが、私の研究の始まりでした。音楽調査を通して、その土地の歴史や民俗を解き明かすのは音楽人類学。みなさんも、私と一緒に好奇心と夢を持って取り組める学びのテーマを見つけ、探究していきましょう!シルクロードが奏でる日中古代芸術文化交流史。「なぜ?」で始まる研究は、ワクワクの連続!宗 婷婷音楽人類学、日中古代文化交流史研究民族学、中国無形文化遺産研究東アジアから学ぶ、世界の民族音楽、ビジネス中国語 ほか最終学歴専門分野授業科目中部大学大学院国際人間学研究科博士(言語文化学)講師ZONG Ting Ting

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