中部大学教育研究25
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も新たに見られることが推測される。これまでと同様に臨地実習施設の協力が得られるよう十分説明をしていく。また、2025年7月に「看護学教育モデル・コア・カリキュラム令和6年度改訂版」が出された(文部科学省,2025)。この改定は2040年に向けた看護学教育の質保証の基、卒業時点での看護実践能力の向上を目指しコンピテンシー基盤型教育(Competency-BasedEducation:CBN)への転換を目的としたものである。この改定版のモデル・コア・カリキュラムで示されている卒業時に必要な看護実践能力と到達度を満たしたカリキュラムであることが求められ、本学でも検討を進めている。本実習で期待する看護実践能力と到達度を明確にして臨地実習施設と共有することで、実施可能な看護技術に関する学生の混乱も防いでいきたいと考える。7研究の限界本研究は、8か所の実習施設のうち7か所で実習した学生がインタビューに応じてくれ、実習施設の偏りはなくほぼ網羅できていると考える。また、グループインタビューを行ったことにより、学生の語りは広がりがみられ、一定の知見を得ることができた。しかし、インタビューへの参加学生は13名と一部の学生の語りであり、学生全体の思いを網羅するものではないことが、本研究の限界である。8結論在宅看護論臨地実習において学生には【対象者の情報が不足したまま訪問することへの困惑】【質問や指導を受けるタイミングへの躊躇】【看護師による対象者の解釈に対するズレへの当惑】【看護師が行うケアへの違和感に対する藤】【既習の方法と異なる自宅で行う看護実践の難しさ】【主体的に看護実践へ参加することへの躊躇】【看護ケアの実施制限による学修の不全感】【訪問先でのマナーに関する戸惑い】という8つの困難な思いと、【移動中の車内での情報提供や質問対応に感謝】【学修目標を達成できるような訪問看護師の配慮への感謝】【間近で体験した訪問看護師の看護実践能力への驚き】【学生の看護実践を看護師が認め見守ってくれていることへの安心感】【複数事例や看護師毎の多様な看護実践を学べた充実感】の5つの肯定的な思いがあった。困難な思いを抱いても、その思いは、学生が積極的に臨地実習指導者や同行看護師に質問をして助言を得ることや、学修目標が達成できるよう配慮してもらっていることを実感したことで肯定的な感情に変わっていた。謝辞研究にあたり、快くご協力いただいた学生の皆様に心より感謝申し上げます。参考・引用文献青柳道子,照井レナ,リトン佳織(2022):在宅看護論実習において訪問看護師が感じる困難と行っている工夫.北海道公衛誌,35(2),85-93.千田寛子,堀越政孝,武居明美,他(2011):成人看護学実習における看護学生の抱える困難感の分析,群馬保健学紀要32:15-22.臺有桂(2024):地域・在宅看護論①地域療養を支えるケア第7版,ナーシング・グラフィカ,MCメディカ出版,33-51,大阪.石田千絵(2024):地域・在宅看護論②在宅療養を支える技術第3版,ナーシング・グラフィカ,MCメディカ出版,20-24,大阪.柄澤邦江,安田貴恵子,中林明子,他(2017):訪問看護における在宅感染予防の実践状況と実践できないケアの理由,日赤看護学会誌,17(1),53-59.柏木聖代,川村佐和子,原口道子(2015):看護基礎教育における在宅看護学実習の現状と課題訪問看護ステーションへのインタビュー調査から.日在宅看会誌,3(2),44-54.松下恭子,多田敏子,岡久玲子,他(2013):看護学生に対する訪問看護師の実習指導の現状と指導についての意識.JNI,12(1),36-43.松下由美子,菱田知代(2022):在宅看護学実習における実習指導者の「やりがい」の創出.日本看護研究学会雑誌,45(1),41-50.文部科学省(2025)看護学教育モデル・コア・カリキュラム関連看護学教育モデル・コア・カリキュラム(令和6年度改定版).https://www.mext.go.jp/content/20250317_mxt_igaku-000040938_1.pdf[検索日2025年7月30日]三宅映子,福武まゆみ,島村美砂子,他(2018):看護学生が感じている在宅看護論臨地実習における困りごと.川崎医療短期大学紀要,38,7-15.中本明世,伊藤朗子,山本純子,他(2015):臨地実習における学生の困難感の特徴と実習状況による困難感の比較-基礎看護学実習と成人看護学実習の比較を通して-,千里金蘭大学紀要,12,123-134.中島久美子,早川有子(2014):母性看護学実習における学生のストレスと対処行動から捉えた実習指導の課題,群馬パース大学紀要,17,53-63.中島千鶴(2025):過去10年の訪問看護における倫理的問題に関する文献検討,なごや看護学会誌,7(2),23-33.在宅看護論臨地実習において看護大学生が訪問看護同行中に抱く思い―17―
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