中部大学教育研究2022
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に示す。有効数は初級が73(2019年度は156)、中級が1904(2019年度は1731)、上級が251(2019年度は272)であった。表の一行目における「春方略」「春文法」の部分は新版の到達度確認テストにおける「読解方略問題」および「文法問題」を、またその後の「21」「19」は、それぞれ「2021年度」「2019年度」を指す。2019年度の数値は、大門他(2020)で報告したものである。また、数値は全て100点満点に換算してある。なお、2021年度の数値の分析に用いたのは、SPSSStatistics27(MacOSX版)である。詳細は大門他(2020)に譲るが、2018年度、2019年度に実施された新版のテストで見られた改善点、すなわち、(ⅰ)「零点」の受験者は一部のレベルに限定的である、(ⅱ)標準偏差の値の差は旧版のテストより少なくなっている、という傾向は続いていた。なお、2019年度の値と比べて初級の数値が高めで中級の数値が低めなのは初級に割り振られた受講生の数が少なく、逆に中級に割り振られた受講生の数が多かったためだと考えられる。3.2秋学期次に秋学期の到達度確認テストの結果を表4から表6に示す。有効数は初級が70(2019年度は152)、中級が1836(2019年度は1694)、上級が249(2019年度は262)であった。数値は全て100点満点に換算したものである。春学期よりも全体的に得点が低めなのは、秋学期の問題には春学期の既習内容も含まれるため難易度が上がるからだと考えられる。春学期のテスト結果に関して述べた旧版テストからの改善点2点は今回のテストでも見られた。平均点は2019年度よりも高い傾向にあるが、得点のばらつきは、特に中級において大きくなっているようである。2019年度と比べて初級の数値が高めなのは春学期と同じ理由だと思われる。一方、中級の数値について文法ではほぼ変わらず、読解方略ではむしろ高めになっている点についてはうまく説明がつかない。この点については今後注視していきたい。中部大学教育研究No.22(2022)―28―表1春学期の到達度確認テストの結果(初級)表2春学期の到達度確認テストの結果(中級)表3春学期の到達度確認テストの結果(上級)表4秋学期の到達度確認テストの結果(初級)表5秋学期の到達度確認テストの結果(中級)表6秋学期の到達度確認テストの結果(上級)

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