中部大学教育研究25
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ることも留意が必要である。思考総合力を見ると、新しい入学生ほどポイント比が低下しており、伸び率が鈍化している傾向が見られる。思考力については、入学している学生の多様化も懸念されるため、3年分の学生のGPAを分析した。なお、2025年度の3年生については、2025年度春学期終了時のデータがまだ得られていないため、統一するために2年生終了時のGPAを使用した。GPAと頻度分布図を図5に示す。これより、2021年入学の学生のGPAの分布は高GPA寄りであり、平均値も高いが、2022年度入学、2021年度入学、2023年度入学と平均値が低下していることがわかる。GPAが低くなるほど、思考力の伸びも縮小、あるいはマイナスになったと推察される。前述したように、思考力にもその学科の適性があるため、アセスメントテストよりもGPAで評価する方が、より専門教育と結びつくものと考えられる。姿勢・態度におけるリーダーシップの伸びは、どの年次の学生も低い傾向にある。図2と図3からも、姿勢・態度の平均点は変わらないことから、明らかに伸びていないことがわかる。これは、都市建設工学科の学生やカリキュラムの特徴でもあると言える。授業の中でリーダーシップ力を育むカリキュラムをさらに強化することや、課外時間での経験が影響してくるものと思われる。経験については、2022年度入学生を除いてはおおむね伸びが高い傾向にある。これも本学科の特徴と考えられるが、2022年度入学生の伸びの低さの原因については、クラブやアルバイトなどの課外活動への参加なども考えられるため、後述するデータベース構築により検討を行う予定である。3都市建設工学科のPROGによる学生の分析3)アセスメントテストとして、「GPS-Academic」や「PROG」が多くの大学で採用されている。本学科では、2024年にPROGによるアセスメントテストを2年生と4年生に実施した。2年生は秋学期の「建設創成工学」の初回授業中に、4年生は11月から12月にかけて卒業研究指導教員の協力を得て、ほぼ100%の学生が受検した。なお、GPS-Academicを受検した時と同様の形式である。3.1PROG結果と汎用力の評価今回、PROGのアセスメントテストでは、「思考力」を測るリテラシー部分は実施せず、コンピテンシー評価のみとした。コンピテンシーは、表1に示す通り、33要素からなる「対人基礎力」「対自己基礎力」「対課題基礎力」で測定されている。本学科が定める9つの汎用力とPROGの測定項目との関連付けを行い、それぞれの平均値によって汎用力を評価した。ただし、「豊かな教養」「専門的知識・技能」「思考力」のリテラシー3項目は受検していないため、評価から除外している。また、2年生と4年生でしか受検しておらず、同一学生ではないことを付記しておく。表2では、33の詳細要素(1~5段階)について、表1の関連付けに基づき平均値を算出し、各汎用力の評価ポイントを求めた。2022年入学の2年生と2020年入学の4年生の汎用力の比較を図6に示す。同一学生ではないものの、4年生は2年生に比べて明らかに汎用力ポイントが増加している。最も増加幅が大きいのは実行力で、0.36ポイントアップした。一方、最も増加幅が低かったのは国際的視野であった。実行力については、12月の受検時期が就職活動の終了や卒業論文の追い込み時期と重なるため、ポイントが高くなったと推察される。国際的視野については、カリキュラムにおいてさらに重視する必要があると考えられる。3.2PROG結果とDPの評価PROGではリテラシー測定を行っていないため、表都市建設工学科学生の学習行動データの分析と個別支援への試み―23―2GPA20212.5320222.2820232.14図52021~2023年入学のGPAの平均値の頻度分布図62022年入学(2年)と2020年入学(4年)の汎用力の比較
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