中部大学教育研究23
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の参考にするためであること、加えて大学生の意識傾向としてまとめて研究発表する可能性もあること、したがって記述内容の良否は成績に影響しないこと、研究使用に同意できない場合はその旨書き添えてほしいこと、以上を口頭で伝えた。不同意の表明はなかった。なお、本研究は、中部大学倫理審査委員会において承認された(承認番号20230026)。3結果および考察3.1閲覧状況「8組織のうち、どのHPを閲覧したか?」という質問に対し、1組織のみと回答した者が177名、2カ所以上と回答した者が96名、不明(記載なし)3名であった。組織別の閲覧人数を年度および学年別に図1に示した。①師協会が180名(単独閲覧97名、複数閲覧83名)と最も多く、いずれの授業でも約6割前後を占めていた。次いで⑤臨士会66名、③研修セ47名、⑧日心臨46名、④厚労省40名、②公養連32名、⑦認定協会30名、⑥臨大協15名となっており、④②⑦⑥については単独での閲覧は少なかった。複数組織のHPを閲覧した96名において、組み合わせは様々で、①⑤が17名、①④11名、①③8名、①~⑧すべて7名、①②5名、①②③4名、その他は1~2名ずつであった。①師協会を含む閲覧が圧倒的に多かったのは、本学が学部科目として公認心理師のみに対応しているためだと考えられる。しかし、公認心理師関連組織(①~④)と臨床心理士関連組織(⑤~⑦)とにまたがって閲覧している受講生も少なくない。3.2記述内容の分類「HPを閲覧して何を感じたか?」という質問に対する276名の自由記述回答には、50字程度のもの、800~1000字くらいのものが、それぞれ数名あったが、ほとんどの学生が概ね150~250字で記述していた。複数組織を閲覧している場合、各組織についての感想を並列的に記述しているもの、複数をまとめて記述しているもの、複数閲覧はしていても一部の組織についてのみ記述しているものがあり、それらを区別して合計した記述数は357となった。これらを通読し、KJ法に準じて分類を行ったところ、以下の4カテゴリが抽出された。1)「ホームページ外観」(38記述):ホームページのデザイン・レイアウトの見やすさや、情報量・説明のわかりやすさ等についての印象。2)「当該組織の活動」(165記述):組織設立の趣旨や経緯・入会制度等の仕組みや、社会貢献・会員育成等の事業について知識を得たという感想。3)「心理支援専門職の役割」(140記述):多様な職域、職務の重要性、資格取得の難しさと関心の高まりについての再認識。4)「その他」(14記述):主に、記載なし(複数組織を閲覧しているが、その一部のみ記述)。4カテゴリの出現数を、学年および年度の異なる4授業ごとに集計したものを表2に示した。「その他」を除く3カテゴリについてカイ二乗検定を行ったところ、有意な関連が見られた(χ2(6)=48.948,p<.01)。残差分析の結果、20年度1年生では「組織の活動」が有意に少なく、「心理支援専門職の役割」が有意に多い(p<.05)、21年度1年生と3年生では「組織の活動」が心理支援専門職とその関連組織に対する大学生の意識―25―0102030405060201211203213図1組織別閲覧数

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