中部大学教育研究25
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在の大学生活は「楽しい」か「楽しくない」かの2択である。「楽しくない」と答えた学生は何らかの悩みを抱えていることが懸念され、悩んでいる学生の早期発見につながる効果が期待される。2025年春学期に初めて実施した結果を図8に示す。2025年4月現在、大学生活が「楽しい」とする学生の最も高い割合が1年生であり、無回答(面談欠席)を考慮すると3年生が最も低い。4年生になると回復する傾向がある。これは、春学期・秋学期の回答時期によっても異なることが考えられる。また、「楽しくない」と答えた学生の悩みについても追跡し、今後も注意深く分析を進めていく予定である。4.2学生情報のデータベース化18歳人口の低下や、多様な入試形態による学生の多様化により、どの大学も学生支援に大きな力を注ぐ必要に迫られている。そのためにも、学生の属性、学習成果、課外活動、アセスメントテスト結果などのデータの整理と可視化が、次の2つの観点から重要である。第一に、データ分析による学科でのカリキュラムを含めた教育改善であり、第二に学生の個別指導の方針を支援することである。そこで、大学IR推進部に学科から依頼して、出身高校、入試種別、フレッシュマンテストの結果、GPA、GPS-Academicの結果などのデータを入手し、現在データベースをExcelで構築し、個票としても指導に役立つような形を構築中である。図9に現在構築中のデータベースの情報項目を示している。今後、基礎情報、アセスメントテスト、面談記録などを用いて分析や学生支援を行っていく。5おわりに本報告は、都市建設工学科のアセスメントテストをはじめとする学生データベースの構築に向けた分析例と取り組み事例を紹介したものである。分析の結果、以下のことが明らかになった。1)GPS-Academicについて:思考力(リテラシー)は、入学年度が新しくなるにつれて伸びが低下する傾向が見られ、これは2年次終了時のGPAの分布状況と関連している可能性がある。2)アセスメントテストの思考力(リテラシー):このテストは社会人一般の能力を測るものである。各専門分野で求められる社会人能力は異なり、GPAなどを利用した評価がより望ましいと考えられる。3)PROGの結果:同一学生ではないものの、2年生と4年生を比較すると、4年生のほうが汎用力はいずれも高いことがわかった。特に、実行力の増加が顕著であった一方、国際的視野の増加はわずかであった。これは学科教育の特徴を示しており、国際的視野の育成を今後の改善課題とすべきである。4)PROGの汎用力評価:PROGの汎用力評価に重み係数を用いてDP(ディプロマ・ポリシー)の評価を行ったところ、いずれのDPも4年生になると増加することが確認された。しかし、DP①の「社会で必要とされる知識・技能」については、思考力(リテラシー)で評価される部分が大きいため、GPAも含めた総合的な評価が必要である。以上より、第2回PROG受検が10月に予定されていることから、学生面談の蓄積も含めたデータベースの構築を完成させ、運用を進めていく。この取り組みが中部大学教育研究No.25(2025)―26―図9「都市建設工学科学生データベース」項目

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