中部大学教育研究23
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有意に多く、「心理支援専門職の役割」が有意に少ない(p<.05)、21年度3年生では「HP外観」についても有意に多い(p<.05)、という結果が得られた。総じて内容分類と学年との関連はなく、開講年度との関連が強いと言える。3.3各カテゴリの具体的内容特徴大学生が心理支援専門職関連組織のホームページを閲覧した感想(自由記述)について、分類カテゴリのうち「その他」を除く3カテゴリの具体例を表3に示した。なお、自由記述において、「臨床心理士協会」「公認心理士会」といった名称の誤記などが目立ち、特に複数組織を閲覧している場合いずれに対する感想なのか不明な場合が散見されたため、組織別に記述内容を数値的に整理するのは困難と判断された。そこで、学生自身の記述の中で公認心理師と臨床心理士の比較などが明記されていない限り、心理支援専門職全般に対する感想として見ていくこととした。各カテゴリの記述内容の特徴を以下にまとめる。1)ホームページ外観について38名が外観についての感想を記述していた。「見やすい」「美しい」「わかりやすい」「丁寧に説明されている」など好印象が多く述べられていた。一般の人にアピールするかどうか疑問という意見も2、3名あったが、全体としては様々な立場の人にわかりやすいページであると感じられている。2)組織の活動について185名が該当した。各ホームページのトップページに掲載されている当該組織の趣旨概要や設立経緯の説明文をほぼそのまま引用している傾向はあるが、心の健康支援や知識普及に関する政策提言や啓発活動、地域連携など社会的な活動も幅広く行われていることを「初めて知り驚いた」「すばらしいと感心した」という感想として述べられていた。特に、一般向けの講演等の企画、会員の資質向上・キャリアアップ・生涯学習のための研修に注目しているものは多かった。3)心理支援専門職の役割について140名が該当する感想を述べていた。ここでも「多様な活動をしているとわかった」という内容が目立った。スクールカウンセラーや病院の心理支援専門職については知っているが、福祉・司法矯正・産業といった職場、子育て支援・高齢者支援・被害者支援などについてはこれまであまり認識されていなかったようである。現代社会において心の問題も多様であるため、心理支援専門職が必要とされていると、重要性が再認識されていた。心理支援専門職につきたいという学生は、あらため中部大学教育研究No.23(2023)―26―表2記述内容カテゴリの年度・学年別集計(χ2検定結果)表3自由記述の具体例カテゴリ記述例HP外観「簡単に要点をまとめられているため、知りたい情報をすぐに理解することができた。また、詳しくまとめられているページも設けてあり、深く学びたい人にも軽く興味がある人にも対応しているページだと思った。」(1年)「美しいホームページでわかりやすかった。心理職ってなんだろうと参考に覗きに来た小中生などに対して職に興味を持ってもらうようなページが見られなかったのが残念に思えた。」(3年)「草木や空などの自然をイメージさせるような背景のものが多いと感じた。このことは,少しでもホームページを見た人が心理職に対して,親しみを持てるようにされた工夫の一つなのではと考えた。」(3年)「関係の薄い人にとっては非常に専門的かつ事務的で、このサイトを見て新たに関心を持ってくれる人はあまりいないように感じた。関係者にとっては情報の宝庫で非常に重宝するだろうと思った。」(3年)「なるためのプロセスを分かりやすく説明していたり、多種多様な情報があったので細かく見れば心理職の世界を知ることができると思った。」(3年)(△有意に多い▼有意に少ないp<.05)(「その他」を除外して分析)人数計カテゴリ別記述数記述数計HP外観組織の活動心理支援専門職の役割その他20年度1年生74名623▼62△79821年度1年生86名1066△31▼311020年度3年生51名8303016921年度3年生65名14△46△17▼380合計276名3816514014357

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