中部大学教育研究25
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1はじめに本稿では本学の日本語教員養成講座について紹介し、講座の最終段階として実施される日本語教育実習と海外の提携大学でおこなう海外日本語教育実習について説明する。まず、日本語教員とはどのような資格なのか、日本語教員養成にかかわる国の資格としての「登録日本語教員」について簡単に紹介したのち、中部大学での日本語教員養成の取り組みの経緯とこれまでの海外日本語教育実習について説明する。さらに、具体的な海外日本語教育実習(台湾、タイ、インドネシア)について紹介し、最後に、2025年度実施予定の国際交流基金の日本語パートナーズ派遣プログラム(大学連携インターン)として派遣する海外日本語教育実習についても説明する。2日本語教員の資格について日本語教員の資格については、2000年に文化庁の諮問を受けた日本語教員の養成に関する調査研究協力者会議の答申「日本語教育のための教員養成について」(2000年3月30日)が出された。日本社会の変化や在留外国人の増加など社会の変化に対応するため、文化庁は、2023年に「日本語教育機関認定法」(2023年5月)を定めた。2024年から、日本語教育の所管は文化庁から文部科学省に移管され、認定日本語教育機関および登録日本語教員の制度(2024年4月)が開始した。日本語教員養成機関を整備し、日本語教師は「登録日本語教員」として国家資格化された。3中部大学の日本語教育の歴史と海外実習本学の日本語教員養成講座は、上で述べた文化庁の答申が出された2000年から始まった。本学学生が受講できる資格講座として位置付けられている。学生便覧に記載されている「日本語教員養成講座」には、つぎのような説明がある。「日本語教員とは,国内外の教育機関において日本語を学習しようとする日本語を母語としないものに対して日本語を教授する人材をいう。現在,わが国に公的な日本語教員の資格は存在しないが,2000年に文化庁の諮問を受けた日本語教員の養成に関する調査研究協力者会議の答申「日本語教育のための教員養成について」にしたがって,本学に日本語教員養成講座を設置する。」(2021年度入学生学生便覧p374参照)さらに、2025年度の学生便覧では、「日本語教員とは,国内外の教育機関において日本語を学習しようとする日本語を母語としないも―29―*1人文学部日本語日本文化学科教授中部大学日本語教員養成講座における海外日本語教育実習の試み小森早江子*要旨本稿の目的は、中部大学における日本語教員養成講座の概要と海外で実施される日本語教育実習の取り組みを紹介することである。日本語教員養成講座は2000年に開始した。2024年には「登録日本語教員」制度が創設されて、日本語教員は国家資格化された。本学の日本語教員養成講座は文化庁の基準に準拠し、現在登録日本語教員養成機関の経過措置対象として認定されている。4年次に実施する日本語教育実習は学内と海外で実施され、海外ではカナダ、台湾、タイ、インドネシアなどで実績がある。2025年度は日本語パートナーズ派遣プログラム(国際交流基金)の支援を受け、3か国に計8名の学生を派遣する予定である。実習を通じて学生は日本語教育の現場を体験し、異文化理解を深めている。キーワード日本語教員養成講座、海外日本語教育実習、中国文化大学(台湾)、サイアム大学(タイ)、マハサラスワティ大学(インドネシア)

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