中部大学教育研究25
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のに対して日本語を教授する人材をいう。これまで日本語教師の資格は民間の資格だけであったが,2024年4月に「登録日本語教員」として国家資格化された。登録日本語教員になるためには通常,二つの試験(基礎試験と応用試験)に合格することと,登録実践研修機関で実践研修を修了することが必要である。本講座は,文化庁が定める全国の日本語教師養成機関のひとつに指定されており,決められたガイドラインに沿って適切に運営している。本学のこの日本語教員養成課程を指定の期間内に受講・修了し、要件を満たせば,「登録日本語教員」の経過措置適用に伴い,申請により基礎試験の免除を受けることができる。」(2025年度入学生人文学部学生便覧p85参照)と改められた。2024年4月から「登録日本語教員」という国家資格の制度が始まったことに併せて、本学の日本語教員養成講座は経過措置が認められていることが記載されている。本学の日本語教員養成講座は2024年に「必須の教育内容50項目1)に対応した日本語教員養成課程等」(2024年3月29日)として文化庁HPで公表されている教育機関一覧に挙げられており、5年間の経過措置が認められている。2028年度末までに登録日本語教員養成機関の登録に向け大学として準備を進めている。本学の日本語教員養成講座は上述の「日本語教育のための教員養成について」(日本語教員の養成に関する調査研究協力者会議の答申2000年3月30日)に定められた「日本語教員養成において必要とされる教育内容」に基づき必修科目として教育区分の「社会・文化・地域」には「日本語教育概論A」、「言語と社会」には「日本語教育概論B」、「言語と心理」には「日本語教育学講義A」、「言語と教育」には「日本語教育学講義B」「日本語教授法A」「日本語教授法B」「日本語教授法C」「日本語教授法D」「日本語教育実習」という科目を置いた(2023年度入学生よりカリキュラム改訂がおこなわれ「日本語教授法C」および「日本語教授法D」はそれぞれ「日本語教育実践A」「日本語教育実践B」に名称変更した)。また教育区分の「言語」にあたる科目として、「日本語学入門A」または「日本語学入門B」と「日本語講義A」または「音声学」を選択必修科目として配置した。3年次終了までに上記の必修科目および選択必修科目を修得した受講生は、4年次に「日本語教育実習」を受講できる。定められた科目の単位を取得し講座を修了した学生は、教務委員会で認定され、認定者には本学所定の日本語教員養成講座修了証明書が交付される制度である(本学日本語教員養成講座の詳細は、2025年度学生便覧人文学部7.日本語教員養成講座p85-87を参照されたい)。4年生でおこなう「日本語教育実習」は現在、学内と海外の2種類実施している。学内実習は、2003年度から2022年度まで中部大学で開講する留学生向け「日本語」クラス(2003年から2006年度までは国際センター、2007年度以降は提携校からの留学生に対しておこなう日本研修プログラム内の日本語クラス)で学期期間中に実施した(上田・渡辺2021)。2023年度からの学内実習は夏季集中講義に変更された。これは、実習生と指導担当教員が8月中旬から9月上旬までの2週間に学内で集中的に実施する形態である。生徒役の留学生は、本学に在学している留学生の中からボランティアを募って実施している。海外日本語教育実習については、2012年5月に本学はじめての試みとしてカナダ(ヨーク大学)へ4年生が1人派遣された2)。その後、2019年に台湾中国文化大学と学術提携(部門間)を締結し、同年10月に台湾へ日本語教育実習生を2人送ることができた。2020年から2022年まではコロナ禍で中止を余儀なくされた。2023年10月に再開することができ、日本語教育実習生を2人派遣した(2023年度の台湾海外日本語教育実習については武藤(2024)に詳細な報告がある)。本学で日本語教員養成講座が設置され、日本語教育実習がはじまった2003年度以降の学科別の講座修了者数を表1に示す(2003年から2020年までの日本語教育実習の詳細は、上田・渡辺(2021)を参照されたい)。2003年度から2024年度まで22年間の全学の修了者数は231人である。表1を見ると、日本語日本文化学科の修了者が184人と最も多く、次いで国際文化学科(2021年度からは改組により国際学科)が多いことがわかる。2020年はコロナの影響で減少したが、2021年度以降日本語日本文化学科は12人以上の修了者を維持している。修了者には卒業後に大学院に進学し日本語教育を修める者や、卒業後に日本語教師として活躍している者も複数名いる。2024年度は登録日本語教員元年ということで、学生の関心も高まった。中部大学教育研究No.25(2025)―30―
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