中部大学教育研究24
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テストおよび実力テストとどれくらい相関しているかを検討し、これらのテストがどれだけ受講生の実力を反映しているかという点について確認する。テスト結果(3節~5節)について、これまでの報告では受講生のレベル毎に報告してきたが、本稿では受講生全体を一括して報告することにする。これは、ある時間帯の上級クラスの受講生の成績が、別の時間帯の中級クラスの受講生の成績より振るわない、という状況が生じており、「上級」と「中級」に分けることが適切ではない場合があるからである。この点については、授業担当者の次元では対応が難しい問題の一つとして、学力差および欠席率の高さの問題と合わせて、7節で扱う。3到達度確認テストの結果到達度確認テストの結果を表1と表2に示す。表1は春学期の、表2は秋学期の結果である。表の一行目における「方略」「文法」は、「読解方略問題」および「文法問題」を示す。その前の「春」「秋」は、「春学期」および「秋学期」を表す。春学期の有効数は2,218、秋学期の有効数は2,261である。テストはいずれも20点満点であるが、100点満点に換算してある。なお、分析に用いたのは、SPSSStatistics29(MacOSX版)である。「文法」に関しては、春と秋の得点に差はあまりなかった。「読解方略」に関して、秋学期の得点が春学期よりも低いのは、秋学期の問題には春学期の既習内容も含まれるため難易度が上がるからだと考えられる。また、標準偏差の値が秋学期の方が大きいのも同じ理由によるものであろう。4語彙テストの結果2018年度より実施をはじめた語彙テストの結果を表3に示す。有効数は2,304である。テストは30点満点であるが100点満点に換算してある。到達度確認テストと比べて得点が高めなのは、出題が教科書で学習した語に限定されており、対策が取りやすいためであろう。5フレッシュマンテスト・実力テストの結果新入生は入学時に全員フレッシュマンテストを受けるが、一年次の秋学期、11月末から12月初旬に、二年次のクラス分けの参考資料として、また、入学時からの英語力の変化を測るために、実力テストを受けることになっている。このテストは、フレッシュマンテストと比較可能な内容であるため、両テストの得点は、受講生の実力の伸長を知る参考資料としても用いている。両テストの数値を表4に示す。なお、実力テストについては50点満点のテストであるが100点満点に換算してある。平均点では若干の伸びが見られるが、統計的に有意中部大学教育研究No.24(2024)―28―表1春学期の到達度確認テストの結果表2秋学期の到達度確認テストの結果表3語彙テストの結果表4フレッシュマンテストと実力テストの結果

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