中部大学教育研究2022
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系の学生向けではなかった。そこで、2012年3月に講義担当者が各章を執筆した教科書「情報スキル-情報基礎と応用-」(図1)を作成し、2012年度の新入生から新しい教科書とシラバスで講義を行った。2.2遠隔講義2020年度春学期、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、遠隔での講義実施となった。これは、一部現在も取り入れられ、新しい講義スタイルとして定着している。遠隔講義では、コミュニケーションツールを使用して、リアルタイムで講義を実施する「オンライン型」と講義資料や録画済みの動画が事前にインターネット上に置かれ、受講生が講義時間に制約されることなく受講することができる「オンデマンド型」がある。オンライン型、オンデマンド型のいずれの講義の場合でも必ずPC環境が必要であり、PCスキルも必要となる。遠隔講義では、講義開始の連絡や内容、使用する学習支援ツールなどが事前に学生宛にメールで通知される。そして当然のことながら1回目の講義からすべて遠隔講義のためのツールが使われる。しかし、入学して間もない新入生には、これら(大学からのメールを読み、どの学習支援システムを使用するかを理解し、必要なソフトウェアをインストールする)を理解して実行することは、ハードルがとても高い。さらに、遠隔講義では、課題の提出をデジタルデータとするケースが非常に多い。課題提出も講義によって提出方法が異なる。そのため、新入生の導入教育のしかも早い段階において、メールを読み、学習支援システムを使用し、必要なソフトウェアをインストールし、使用方法を理解することが非常に重要となる。遠隔講義で主に使用されるシステムとツールは下記のものがある。学習支援システム・CoursePower・BlackBoard・GoogleClassroomコミュニケーションツール・メール(Tora-netメール)注1)・GoogleMeet・Zoom上記のように複数のソフトウェアがあり、それぞれの学科や科目、担当教員によって講義で使うソフトウェアが異なる。また、学生への連絡や質問などは一般的にメールが使用されるが、教員から学生へメール送信する場合、学生のメールアドレスは学籍番号を元にしたものとなるため、入学後に初めて利用できるようになる。また、メールの閲覧方法についてもWebを使用して確認する方法、スマートフォンにアプリをインストールする方法など様々な方法がある。しかし、これらの詳細な説明会が事前に開催されることはなく、講義担当の教員からのメールが確認できていないという学生からの相談も受けることがある。2.3情報スキル入門の教科書(変更前)情報スキル入門の教科書「情報スキル-情報基礎と応用-」では、中部大学内でのインターネット接続方法やメールの書き方、Officeアプリケーション実習などを採用した。独自の教科書を用いることにより、OS(Windows)や講義で使用するOfficeアプリケーションなどのバージョンアップにも柔軟に対応可能となっている。変更前の教科書の内容は下記となる。第1章はじめに第2章コンピュータのしくみ第3章ネットワーク・中部大学のネット利用第4章PCとネットワークを安全に使うために第5章ネットワークの情報の利用第6章ソフトウェアのインストール第7章コンピュータのデータの取り扱い第8章電子メール、Webサービスとインターネットの歴史第9章Word(基本操作)第10章Wordを使ったレポート作成について第11章表計算ソフトウェアExcelの基礎第12章表計算ソフトウェアExcelの応用第13章プレゼンテーション第14章情報と社会付録e-learningシステムを使用した学習教科書は全部で14章の構成となる。そのため、全15中部大学教育研究No.22(2022)―48―図1情報スキル教科書

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