中部大学教育研究24
52/115
教師は次に図9が示している設定画面で「クラス」の内容を設定する。「クラス」名称や学習期間の設定、復習の要不要、成績・ランキングの公開・非公開、「ワークシート」のダウンロード許可などを設定したりすることができる。また「お知らせ」メッセージも掲載することができる。学習者に毎年好評なのは、「修了証書」の授与である。達成度や成績の基準や発行のタイミングなども教師が決めておくことができる。もう1つの特徴は、教師同士のコラボレーション機能である。「管理補助者追加」機能を利用すると、複数教員で1つのクラスを構成、管理していくことができる。著者もこの方法で、数々の「クラス」を毎学期共同管理している。教師と共同管理者は、「クラス」の「学習実績・解析」情報も常に教師間で共有できるようになっている。たとえばBRIX利用初心者の教師が「クラス」を開始しようとする時、BRIXのベテラン教師が「管理補助者」として加わり寄り添うこともできる。4.3教材の個性化LL更新WGでは「問題の組み換えによる新規コースの作成機能」にも注目した。e-Learning教材の多くは、コンテンツや学習順序が固定されていたり用意されている通りにしか使用できないが、BRIXはそうではない。「オーサリング」機能により、コンテンツをトリミング(縮小化)するなど、教材の自由度が高い。BRIXの活用には次の2つの方法がある。まず1つ目は、選んだコースをフルコンテンツのまま設定しておき、学習範囲や順序を本人に決めさせる学習者主導型の方法である。授業においても自習教材を自由に利用させることは可能だが、自習教材の学習実績は、教師からは見えない。そのため、教師が学習実績を把握する必要がある場合には、「クラス」を設置し、そこにフルコンテンツを選定しておくと良いわけである。2つ目の方法は、教師主導型のアレンジである。各コースの中身をトリミングして縮小版としてオリジナルコースを作成したり、「オーサリング」機能を用いて学習順序を固定しておく方法である。5活用例5.1教材の適用化BRIXにある細分化されたレッスンブロックを全て学習すれば、さぞ英語力がつくであろうことが期待できるが、実際にはそうもいかない。本気で全てを網羅するのには、相当な意志と学習習慣を要するからである。たとえば英検コースの「出る順パス単」という教材を見てみる。準2~2級であれば、書籍版は300ページ未満、準1級であれば400ページあまりの人気教材である。BRIXにはページ数という概念はないが、1つずつの小さなレッスンブロックを数えると1,000あまりに至る。そこで、少しずつからでも学習を始められるよう設けられているのが「トリミング」機能である。図10は「英検2級20日間対策」の中の1セクションを教師用管理画面から見た「1日目」だけのレッスンリスト例である。このコースの場合、フルコンテンツは「1日目」は14のレッスンから構成されている。20日間であれば、280のレッスンがあることになる。教師がこの中から必要なもののみを残して軽量化できるのが「トリミング」機能である。単語のみ、例文のみ、実践問題のみというように、一部だけに絞り込んで他を削除し、スリム化を施すことができる。ただしトリミングは、図10にあるようなコンテンツリストから、どれを削除するかという範囲のことを意味し、レッスンブロックの順序や、各レッスン内の語彙表現や例文等英語オンライン教材ATRCALLBRIXの特徴とその効果―41―図9教師用クラス設定画面図10レッスンリスト例(フルコンテンツ)
元のページ
../index.html#52