中部大学教育研究23
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発達障害等の支援について学びたいと考えた〉、【大学入学後の学外活動で障害のある児童と関わった体験からの関心】には、〈接し方や障害について興味をもった〉などがあった。3.2分離教育で学ぶ環境を変える必要性の認識障害のある子供が通級指導教室・特別支援学級・特別支援学校で学んでいる環境を変える必要性を感じる程度について、「高い」を5、「低い」を1とした5段階で回答を求めた結果は、「5」は9.7%、「4」が41.9%、「3」が29.0%、「2」が9.7%、「1」が9.7%であった(図1)。また、必要性を感じる程度を選択した理由の自由記述内容をカテゴリー化した結果は次の通りである。なお、カテゴリー化は、選択した程度ごとに行ったのではなく、記述内容に基づいて行ったため、選択した段階が異なる類似回答が、同じカテゴリーに分類されている場合がある(3.2、3.3においても同じ)。必要性の程度が「5」または「4」である理由が、【その子に適した支援の必要性】【誰もが同じ場で学ぶ必要性、垣根をなくす必要性】【交流の必要性・交流機会を増やす必要性】に分類された。必要性の程度を「4」~「1」と選択した理由が【個々の状況や自分の意思で学ぶ環境を選択できる現状】【人員確保や専門性の必要性】【現時点で、ある程度整っている】【その子に合う、その子の能力を高める教育の必要性】に分類された。【交流の必要性・交流機会を増やす必要性】の回答には、〈多様な考え方が身につく〉〈圧倒的に交流がすくないから増やすべき〉、【その子に合う、その子の能力を高める教育の必要性】の回答には、〈差別というような言い方がされるが、区別であって、その子に合った教育をした方がいい〉〈分けることに批判する声もあるが、分けることで障害者の能力を向上する授業ができると思う〉などがあった。3.3幼少期からの交流保育や交流教育の必要性の認識障害のある子供が、幼少期から交流保育や交流教育などで障害のない子供と関わる機会が必要と感じる程度について、「高い」を5、「低い」を1とした5段階で回答を求めた結果は、「5」は61.3%、「4」が29%、「3」が9.7%、「2」「1」は0%であった(図2)。また、必要性を感じる程度の理由の自由記述回答をカテゴリー化した結果は次の通りである。必要性の程度を「5」とした回答の理由が【障害としてではなく人としての共生社会に向けた必要性】【障害のある人とない人の共生社会に向けた必要性】【多様性の理解】【障害のある子供とない子供の相互理解、学び合い、協力して当たり前という考え方に向けた必要性】【障害や得意な能力の理解、支援へのつながりとしての意義】、「4」または「5」とした回答の理由が【幼少期からの関わりによる、障害のある人への偏見の軽減に向けた必要性】【交流教育による互いの学びの意義】【障害のある子供・ない子供の社会経験の意義】、「3」または「4」とした回答の理由が【障害の程度や段階、違いの提示に配慮しつつ、交流から得るものの理解からの必要性】に分類された。【障害や得意な能力の理解、支援へのつながりとしての意義】に分類された項目には、〈自分の障害について理解してもらう。特異な能力に気づける〉、【障害のある子供・ない子供の社会経験の意義】には、〈社会に出たら関わらなければいけないため〉〈障害のある子の社会経験、障害のない子にもいい経験になると思う〉、【障害の程度や段階、違いの提示に配慮しつつ、交流から得るものの理解からの必要性】には、〈障害の程度によると思うが、接し、関わり合う中で共に知共生社会の実現に向けた保育士・教員を目指す大学生に求められる学び―43―図1分離教育の環境を変える必要性の認識の程度図2幼少期からの交流保育・交流教育の必要性を感じる程度

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