中部大学教育研究23
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り合うことができると思うので必要かと感じる〉〈他の子との違いを提示する必要はない〉などがあった。3.4幼少期から同じ場で学ぶ必要性の認識障害のある子供と障害のない子供が、同じ保育所・幼稚園、学校などで学ぶことが必要と感じる程度について、「高い」を5、「低い」を1とした5段階で回答を求めた結果は、「5」は38.7%、「4」が38.7%「3」が22.6%、「2」「1」は0%であった(図3)。また、必要性を感じる程度の理由の自由記述回答をカテゴリー化した結果は次の通りである。必要性の程度を「4」または「5」と回答した理由が【将来の共生社会に向けた経験としての必要性】【障害のある子供・ない子供の相互のコミュニケーションを学ぶ経験としての必要性】【インクルーシブな環境で共に楽しんだり助け合ったりする経験としての必要性】【障害のある子供・ない子供の互いのことを知ることの意義からの必要性】【多様性の理解】【共生に向けた理解と、大人の負担】、「3」~「5」とした回答の理由が【幼少期から関わることによる偏見の解消に向けた必要性】、「3」または「4」と回答した理由が【交流の必要性と、生きづらさ・学びにくさへの配慮の必要性】、「3」と回答した理由が【それぞれの子供に合った教育の必要性】に分類された。【将来の共生社会に向けた経験としての必要性】には、〈同じ社会を生きているから〉〈小さい頃から共に過ごし、共生社会が当たり前になることが大切〉〈社会において関わるための準備として〉、【障害のある子供・ない子供の相互のコミュニケーションを学ぶ経験としての必要性】には、〈お互いに多様性について学ぶことができ、将来、人とのコミュニケーション能力に大きく影響する〉〈互いにメリットがあると思う。接し方などを学べるため〉、【交流の必要性と、生きづらさ・学びにくさへの配慮の必要性】には、〈生きづらさ、学びにくさを感じるのであれば、必ずしも一緒の場で学ぶ必要はないと思う〉〈障害のある子にとって学びやすい環境であればとよいと思う。必要に応じて〉などがあった。3.5同じ場で学ぶことや交流保育・教育を進める上で困難と考える事柄障害のある子供とない子供が、同じ場で学ぶことや交流保育・教育を進める上で困難と考える事柄について、複数回答可の選択肢式回答を求めた結果は、図4の通りである。なお、選択した項目のうち、「最も困難と思う事柄」としての回答については、色を分けて示した。なお、「その他」の回答には「管理」との記述があった。最も多い回答が「先生方の負担」で15件、次に多い回答が「周りの子供の理解」および「周りの子の保護者の理解」で、それぞれ13件であった。3.6保育士や教員を目指す学生が、学んだり考えたりする必要があると考える内容共生社会の実現に向けて、保育士や教員を目指す学生(特別支援教育を専攻していない学生を含む)が、学んだり考えたりする必要があると考える内容について、複数回答可の選択肢式回答を求めた結果は、図5の通りである。最も多い回答が「障害のある子供とのコミュニケーション方法」で20件、次に多い回答が「心身障害に関する専門知識」で19件であった。続いて「特別なニーズ教育・保育に関する専門知識」および「障害のある子供の生活支援の方法」がそれぞれ18件と多く、その次に「障害にとらわれない、その子の中部大学教育研究No.23(2023)―44―図3障害のある子供とない子供が同じ保育所・幼稚園・学校で学ぶ必要性を感じる程度図4同じ場で学ぶことや交流保育・交流教育を進める上で困難と考える事柄

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