中部大学教育研究25
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実力テストの平均点はフレッシュマンテストに比べて若干高いが、統計的に有意かどうかをWilcoxonの符号付き順位検定を用いて分析した1)。その結果、.001の水準で有意であることが分かり、2021年度~2023年度と同一の傾向が見られた。6テスト間の相関2018年度に刷新された到達度確認テストを使用するようになってからは、到達度確認テストは、フレッシュマンテストや実力テストとの間に強い正の相関が見られることが示され、受講生の実力を反映していることが確認されていた(大門他,2019;2020;2022;2023;2024)。この点は、表5に示すように、2024年度についても同様であった。なお、表5の数値はSpearmanのローによる結果である。また、参考までに括弧内に2023年度の数値を示してある。なお、前節で触れたようにフレッシュマンテストと実力テストは内容的に比較可能であるが、それを反映して、両テストの相関は.814と非常に高い数値を示している。7大学全体で考えるべき課題最後に、教育プログラムや授業担当教員では対応しがたい、大学全体に関する課題について、二点触れておきたい。一つ目は学生間の学力の大きなばらつき、二つ目は履修登録をしたにも関わらず単位の修得に至らなかった受講生についてである。7.1学力差これまで示してきたデータの最小値および最大値の数値から明らかなように、学生間の成績のばらつきは極めて大きい。また、学科間による学力の差も大きい。この点を示すために、表6に学科毎のフレッシュマンテストの成績に関するデータを、図1にそのデータに基づく箱ひげ図を示す2),3)。例えば、平均の最低値(BSの49.9)と最高値(LPの65.8)の間には15.9点の差がある。中央値についても同様で、最低値(NAの47)と最高値(LKとLPの66)の間には19点もの差がある。ただし、2023年度は平均の最低値と最高値の差は18.8点、中央値の差は20点だったので(大門他,2024)、学科毎の差は若干縮まったとは言える。入試制度とも深く関わる問題なのでここでは現状を報告するに留めるが、学力差の問題は、教育上の大きな課題となっている。7.2単位が修得できない理由:出席率の低さ次に、履修登録をしたにも関わらず単位の修得に至らなかった受講生について分析しておきたい。毎授業の学習の積み重ねを重視する「英語スキルⅠ/Ⅱ」では、欠席は原則として3回を限度としている。つまり15回の授業のうち最低でも12回(80%)の出席が要求される。表7に示すように、成績と出席率にははっきりした関係があり、春学期と秋学期のいずれにおいても単位を修得できなかった学生の出席率は極めて低い。2024年度の全学英語教育に関する報告―45―表5フレッシュマンテストおよび実力テストと到達度確認テスト・語彙テストとの相関表6学科毎のフレッシュマンテストの結果

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