中部大学教育研究25
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1はじめに「情報スキル入門」(2004年設置当初は「コンピュータ入門」)が設置された当時は、教科「情報」の科目が中等教育課程では必修までには至らず、情報処理関連の知識を教える科目が必要とされた。その後、社会全体で情報技術が急速に進み、徐々に入学者の知識レベルは高くなってきている。情報教育プログラムは昨年、2024年度新入生に対して「情報スキル入門」の難易度、必要性、スキル向上度に関する内容調査を行った1)。この結果から現行の教科書改訂に向けての参考を得た。実施時期が15週目であったことと、対象クラスが3クラスと小規模であったため、今年度は履修開始時に全学部新入学生を対象とした調査を行うことを目的として新たな調査を行った。調査内容として、2022年度の学習指導要領の改訂により、科目「情報Ⅰ」が必修となったこと、2025年度入学生からは、以前と比べると、情報の知識が比較的高いと予想されることを踏まえ、履修開始時に「入学までに学習した内容をどのくらい覚えているか」を測るためのアンケート(以下、アンケート1)を実施した。そして、履修終了後に、授業で利用した教科書「情報スキル」で取り扱った内容についてのアンケート(以下、アンケート2)を実施した。アンケート1で、高等学校でしっかり学習されている内容を把握でき、さらに、アンケート2で、現在の教科書「情報スキル」の内容を見直すことができる。2入学までに学習した内容「情報Ⅰ」は高等学校で1年間かけて学ぶ内容である。アンケート1では、「情報Ⅰ」の教科書「最新情報Ⅰ」(実教出版)2)の内容を参考にし、表1に示す16の項目について「a.ほとんど覚えている、b.ある程度覚えている、c.少し覚えている、d.あまり覚えていない、e.全く覚えていない、f.学んでいない、g.その他」から回答を得た。アンケート対象学生は2025年度入学者2,828名のうち「情報スキル入門」受講者2,822名であるが、重複回答者が存在するため、アンケートの延べ回答数は2,882件である。―49―*1人間力創成教育院情報教育プログラム准教授*2人間力創成教育院情報教育プログラム教授*3人間力創成教育院情報教育プログラム講師2025年度春学期「情報スキル入門」に関する報告-受講者アンケートに基づいた学習効果の考察-山田裕子*1・鈴木知治*2・藤井隆司*3要旨高等学校での情報教育が2022年度から必須となり、大学共通テストの出題科目ともなった。2025年度からは情報を必須科目として学んだ新入生が入学している。本報告では、本学新入生が高等学校卒業までに学んできた「情報Ⅰ」の学習実態と、中部大学が20年以上行ってきた「情報スキル入門」の学習効果の考察を行う。キーワード情報Ⅰ、情報スキル入門、情報リテラシー教育、アンケート調査表1アンケート1で用いた質問番号、項目、キーワード質問番号タイトル内容1情報社会情報社会と情報、情報の特性、情報のモラルと個人に及ぼす影響2情報社会の法規と権利知的財産、著作物の利用と公開、個人情報の保護と管理3情報技術が築く社会情報システム、電子マネー、人工知能、仮想現実、拡張現実4メディアとコミュニケーションメディアの発達、メディアの特性、コミュニケーションの形態、インターネットのコミュニケーション5情報デザイン情報バリアフリー、ユニバーサルデザイン、Webアクセシビリティ、ユーザインタフェース、フォントと文字、図・表・グラフ、配色6情報デザインの実践文書の作成、プレゼンテーション、Webページ7情報システムの構成コンピュータの構成、CPUの動作、計算の仕組み、ソフトウェアの種類、情報機器の接続
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