中部大学教育研究23
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れている。事務局は県に置かれている。いわてPFでは、①地域ビジョンを踏まえた地域との連携による人材育成、②高等教育機関と連携した地域活性化の推進、③中高生の学力向上、大学等への進学率向上、④高等教育人材の地元定着、地域企業への就職率向上を課題に上げている。本稿で紹介した事例では、地域連携プラットフォームとしての団体を設立してはおらず、運動教室を開始した目的は「地域に貢献できる人材の育成」のみであったが、結果として、運動教室を共同運営した社会福祉法人まちスウィングへ卒業生が就職し、地域活性化が推進されていることから、地域連携プラットフォームに期待される効果を示した事例であると言える。運動教室を開催した地域である春日井市高蔵寺ニュータウンは、日本住宅公団(現在のUR都市機構)が開発を手掛けた最初のニュータウン開発事業である。入居が始まった1968年の人口は3,400人であるが、その後に徐々に人口が増え、1995年に52,200人のピークを迎えた。その後、人口は減り続け2022年時点で42,400人となっている。一方、春日井市全体の人口は1968年以降増加し続けているが、人口のピークは2019年の312,000人であり、2022年時点でも309,800人である。ピーク時の人口に対する2022年現在の人口の比率は、春日井市全体の人口が99%であるのに対し高蔵寺ニュータウンは81%であることから、局地的に人口が大きく中部大学教育研究No.23(2023)―56―表1シニア教室(上段)とキッズ教室(下段)の運動メニューの一例【シニア教室】【キッズ教室】№時間配分種目方法目的指導時の工夫(コツ)準備物15分ウォーミングアップウォーキング運動への意識の向上体温・心拍数の上昇自分のペースでいいので,正しい姿勢で歩く。なし25分ストレッチ全身のストレッチ怪我の予防伸びている筋を意識させる使う筋をメインに伸ばす。椅子37分脳トレコグニサイズ①手の入れ替え運動(グーパーなど)②前横上下認知症予防②は初めは両手で前横上下を行い,その後片手ずつにする。足の動きも入れて難易度を上げる。椅子410分筋トレボールを使った筋トレ①内もも②胸③フレンチカール④足裏つぶしボールの反力を使って全身を鍛える。力を入れてボールを押すため,呼吸を忘れないようにする。椅子,ボール515分有酸素運動エアロビクスマーチ,マンボ,ステップタッチ,グレープバインの4つの動きをメインに行う。体力,心肺機能の向上少しずつ動きに変化をつけていく。休憩も挟みながら行う。CD,デッキ68分クールダウン全身のストレッチ疲労が溜まらないようにする。痛みや怪我,体調の確認リラックスできる雰囲気にする。椅子№時間配分種目方法目的指導時の工夫(コツ)準備物15分ランニング3周走る。体温・心拍数の上昇,怪我の予防高学年と低学年で追いかけさせて走る。コーン25分体操6年生にやってもらう。怪我の予防だらけた場合は先生が行う。なし36分ライン鬼ラインの上のみを走る鬼ごっこ体力向上1回目は飛び越えなしで行い,2回目は同じ色のラインへのジャンプはありにするなどしてルールを少し変える。なし45分短縄二重跳びやあや跳びなど本人の中で難しい跳び方で行う。体力向上,身体をうまく使えるように。飽きていたら2人1組で跳ばせる。短縄55分大繩全員で跳ぶ。体力向上,タイミングを合わせる能力を鍛える。前回の回数より跳べるようにと目標を与える。大繩66分ボールキャッチ(1人)テニスボールを真上に投げキャッチする。キャッチの前にジャンプをしたり,手拍子をするなど動きを入れる。小さいものを扱う器用さを鍛える。出来ている子はどんどん難易度を上げる。テニスボール76分ボールキャッチ(2人)ペアが投げたボールを手ではなく,コーンに入れるようにしてキャッチする。ボールのコントロール力大きなコーンだと簡単な場合は,マーカーを使う。テニスボール,コーン810分ボール運び2チームに分かれ,片方はテニスボールを反対側に運ぶ。もう片方のチームは運んでいる人を阻止するためボールをあてる。ボールのコントロール力,瞬発力など。説明は短くして,2回戦行えるようにする。テニスボール,ボール,コーン9残り時間ドッヂボール,リレー6年生vs在学生で行うなど,チームを変えながら行う。最後の子たちが多いため,盛り上がりとして行う。6年生の希望を聞いて行う。ボール,コーン

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