中部大学教育研究2022
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する。2研究方法2.1大学教員とのシリーズ授業の構成表1に中大連携活動として実施したシリーズ授業の構成を示す。生徒は「縦割り班」として、1年生から3年生までの合同で20名程度の班をつくり、啓明祭(文化祭)に来場する小学生親子や保護者・兄弟姉妹を対象とした出展内容を班ごとに創作し、発表した。大学教員が講師を務める中大連携活動の班の他に、中学教諭のみが指導するグループもある。中大連携活動の対象生徒には生徒に講義テーマを紹介し、生徒の希望をもとに班分けを行った。(1)導入講義・集中講義7月の「導入講義」と8月下旬の「集中講義」(3回)は、大学教員が講師を務めた。導入講義は、テーマへの生徒のモチベーションを高め、問題意識を持って夏休みを過ごしてもらう機会となる。テーマによっては大学施設において講義が実施され、通常の授業とは異なる環境で、大学での研究とのつながりを感じてもらう工夫も見られた。「集中講義」では啓明祭(文化祭)での出展の構想につながる体験的な内容を取り入れながら実施された。大学教員の判断で大学生・大学院生のTA(ティーチングアシスタント)の参加があり、準備・実施のサポートや、中学生の活動を「主体的・対話的な深い学び」にするために生徒に寄り添う役割を果たした。(2)出展準備と啓明祭での発表「出展準備」(4回)は中学教諭の指導が中心となり、大学教員による講義内容を発展させて啓明祭の出展準備と啓明祭での発表を実施した。準備と当日視察への大学教員の参加は、講師の判断に任せた。生徒は集中講義の内容をもとに出展内容を工夫し、展示物を製作するとともに来場者との対話的な発表ができるように準備を工夫した。啓明祭での発表場所として教室が割り当てられ、前日に設営を行い、当日は対話的な発表が行われた。啓明祭の約1週間後には「振り返り」の時間が設けられ、班ごとに中大連携活動を振り返るとともに、後述の生徒アンケートを実施した。なお、コロナ禍(2020年、2021年)では、導入講義・集中講義から出展準備までに遠隔講義(Zoomミーティング)を活用したり、TAの大学生・大学院生を不参加としたり、啓明祭の来場者を制限したり(小学生不参加、生徒同士の発表)するなど、新型コロナウイルスの感染状況に合わせた対応が取られた。2.2大学教員によるテーマ設定(1)総合大学の幅広いテーマ表2には中大連携活動のテーマを示す。講師は中部大学の全学部と研究センターからの参加があった。後述のアンケート調査での分類のため、文系・理系に分類して記載している。2021年度は9テーマを設定したが、1テーマは別枠(授業期間中)で実施となり、アンケート調査の対象外とした。講義ごとに、中学生向けのテーマ名を設定した。テーマにより複数の大学教員で担当したり、大学生・大学院生を主体的に担当させたりするケースも見られた。中部大学教育研究No.22(2022)―2―表1中大連携活動・シリーズ講義の構成表2大学教員によるテーマ(2021年)
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