中部大学教育研究2022
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ションとなっている。Zoomを介して4つの教室の様子を映像のみ演習室のスクリーンに映して「つながる」ことで、大学側教員2名が他の教室の様子も把握できるようにしているほか、受講者も他の教室での同級生の様子からそれとなく刺激を受けられるようにしている。高校側教員2名には、演習室を中心にサポートをお願いしているほか、随時、LLやCALLの授業観察をして頂くことで授業内容を理解して頂き、サポートに役立てて頂こうとしている。3.52022年度授業での変更点本授業では、2022年度から大きな変更が生じた。2019年度から2021年度までの3年間は、選択科目「資格英語A(英検)」「資格英語B(TOEIC)」の単位認定を受けられる授業であった。高校3年生が、大学2年生以降を対象とする「資格英語A・B」を受講することは、少しギャップがあり、特に「資格英語B(TOEIC)」の内容が受講者の英語レベルや関心に沿っていないことも明らかとなっていた。それでは英語学習への心理的バリアを低減し、「少しでも英語を聞ける・話せるようにしたい」という本来の目標に近づくことは困難であった。また、試験対策的な授業を受講することは、高校生にとって「試験のための英語学習」以外を経験できないことにもなっていた。そこで、関係各所と調整の末、2022年度からは本学1年生向けに開講されている「英語スキルⅠ」「英語スキルⅡ」の単位認定とすることに変更をして頂くに至り、内容はER学科の英語プログラムを応用したものとすることになった4)。これにより、受講者は1年次における必須科目の単位の「先取り」に挑めることになった。2022年度の循環型授業のコンセプトは、図17のように修正され、試験対策から英語コミュニケーションの素地形成と、授業内容が変更になった。受講者数の増加から教員増員によるインプット・アウトプット両面のデュアル指導へと変更になり、2つのオンライン教材利用をもとにした「ハイブリッドローテーション」が構成されることになった。Web学習プラットフォーム「Glexa」を、指導と学習を結ぶ拠点としていることには変わりはない。図17が示す「対面アクティビティ(アウトプット中心)」は、2022年度からの新しい要素である。アウトプットアクティビティには、空所補充、インフォメーションギャップやすごろく、クイズなどが含まれ、ペア・グループワークを通して、「文法や語彙選択の方法を学び使う」ことができるようにしている。4授業内容と成果4.1学習環境とオンライン教材の活用本学特有の環境で授業を受けられることも、高大連携授業の魅力であろう。本授業はLL教室やCALL教室が備えている機能を最大限に活用した授業を実践しようとしている。CALL教室の利点は2.1で述べた通りである。最大のメリットは、全体と個人の状況を瞬時に把握できることである。2019年度の場合は37人が集合する授業であったが(図18参照)、一斉指導、ペア指導、個別指導といったバリエーションを組み合わせながら、受講者の学習・理解状況に沿った指導を織り交ぜていくことが容易にできた。中部大学春日丘高校との高大連携協定にもとづく授業(英語)―67―図172022年度の循環型授業コンセプト図18CALL教室での全体指導の様子(2019年度)図19ソフトレコーダーを使ったレッスン(2019年度)

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