中部大学教育研究24
71/115

3.1.6セキュリティ対策について本学では、学生が各自のノートPCを所有することを推奨されており、自分のPCを所有することが初めてである学生も多い。「情報スキル入門」では、新入生に自分のPCのセキュリティ管理の重要性を理解させ、適切に管理を行えるように指導している。Windows10以降ではセキュリティ対策ソフトが標準に入るようになったため、セキュリティ対策ソフトウェアを独自に導入する必要性はなくなった。講義内では、新入生に自分のPCにインストールされているセキュリティ対策ソフトウェアの状態を確認し、適切に処理ができるように実習を通して理解させている。PCのどこを調べれば状態が分かるのか、確認する作業は入学後早い段階で行い、有効なセキュリティ対策ソフトウェアが働いている状態のPCを使用することが求められる。今回のアンケートでは、学生に「セキュリティ対策の重要性」についての意識を調査した。調査の結果は「大いに必要」、「やや必要」と大半の学生は必要性を理解していることが分かる(図20)。また自身のセキュリティ対策に関しては、殆どの学生が「大いに向上した」「やや向上した」と回答している(図21)。3.1.7PCのしくみについて現代の大学生は比較的早い時期からスマートフォンに触れる機会が多いため、コンピュータの仕組みを知らなくても(ある程度は)使えていることになる。しかし、PCを所有するとなると、管理者として最低限のコンピュータの仕組みを理解しておくことが求められる。新入生にとって、コンピュータのハードウェアに関する知識はどこまで必要なのか、ノイマン型コンピュータについてのしくみを理解することは、教養として全学部の学生に必要な知識であるかどうかは議論が別れるところである。高等学校で学ぶ「情報Ⅰ」の教科書には、この内容も含まれている。今後、学習内容の精査を行っていく中で、ハードウェアのしくみについての内容は削除していく方向性も検討される。ただし、今回のアンケート結果では、PCの仕組みについて「とても難しかった」、「やや難しかった」と回答した学生は多い傾向が見られた(図22)。また、学習の結果、自身のスキルが「大いに向上した」、「やや向上した」という回答結果も多い傾向が見られた(図23)。「学習の必要性」については「やや必要」と回答している学生が最も多かった(図24)。またこの章では、学生が自分のPCのOSバージョンやCPU、メモリについて調査する実習を行う。後述の通り、この実習を行うまでOSに関する理解は浅い傾向が見られた。この結果を受けて、今後の授業内容検討の参考としたい。中部大学教育研究No.24(2024)―60―0%20%40%60%80%100%HWHJPJ図19ネットワークの活用スキル(必要性)0%20%40%60%80%100%HWHJPJ()()図20セキュリティ対策(必要性)0%20%40%60%80%100%HWHJPJ()()図21セキュリティ対策(スキル向上度)0%20%40%60%80%100%HWHJPJPC図22ハードウェアのしくみ(難易度)

元のページ  ../index.html#71

このブックを見る