中部大学教育研究23
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を検討し、これらのテストがどれだけ受講生の実力を反映しているかという点について確認する。7節では大学全体に関わる課題について述べる。3到達度確認テストの結果到達度確認テストの結果を表1と表2に示す。表1は春学期の、表2は秋学期の結果である。表の一行目における「方略」「文法」は、「読解方略問題」および「文法問題」を示す。その前の「春」「秋」は、「春学期」および「秋学期」を、またその後の「上」「中」は、「上級」と「中級」を表す。春学期の有効数は「上級」が206、「中級」が2,199である(注:「春方略」には欠損値が一つあり、有効数は2,198となっている)。秋学期の有効数は「上級」が199、「中級」が1,940である。テストは20点満点であるが、100点満点に換算してある。なお、分析に用いたのは、SPSSStatistics29(MacOSX版)である。平均や中央値、最頻値を見ると、「上級」と「中級」では大きな違いがあることがわかる。また、秋学期の得点が春学期よりも全体的に低めなのは、秋学期の問題には春学期の既習内容も含まれるため難易度が上がるからだと考えられる。また、標準偏差の値が秋学期の方が大きい傾向にあるのも同じ理由によるものであろう。4語彙テストの結果2018年度より実施をはじめた語彙テストの結果を表3に示す。有効数は「上級」が197、「中級」が2,064である。テストは30点満点であるが100点満点に換算してある。平均、中央値では「上級」と「中級」の間に大きな差がある。最頻値はいずれも97点であるが、標準偏差および最小値に大きな開きがあるのは、「中級」では成績の振るわない受講生の数も多いためである。5フレッシュマンテスト・実力テストの結果新入生は入学時に全員フレッシュマンテストを受けるが、一年次の秋学期、11月末から12月初旬に、二年次のクラス分けの参考資料として、また、入学時からの英語力の変化を測るために、実力テストを受けることになっている。このテストは、フレッシュマンテストと比較可能な内容であるため、両テストの得点は、受講生の実力の伸長を知る参考資料としても用いている。両テストの数値を表4に示す。なお、実力テストについては50点満点のテストであるが100点満点に換算してある。平均点では若干の伸びが見られるが、統計的に有意かどうかをWilcoxonの符号付き順位和検定を用いて分析した1)。その結果、.05の水準で有意であることが分かり、2021年度と同一の傾向が見られた。この点は喜ぶべきであろう。6テスト間の相関2018年度に刷新された到達度確認テストを使用するようになってからは、フレッシュマンテストや実力テ中部大学教育研究No.23(2023)―60―表1春学期の到達度確認テストの結果表2秋学期の到達度確認テストの結果表3語彙テストの結果表4フレッシュマンテストと実力テストの結果

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