中部大学教育研究2022
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書籍辞書を開いている様子を見ることが増えたり、タブレット端末と電子辞書を並べて使い分けている様子が増えたりした。2020年度から開始されたタブレット利用は、共有利用という段階であるため、自分に合うような辞書アプリ等をインストールすることはできない。そのためタブレットのかたわらで電子辞書や書籍辞書を使う姿があるわけである。4.6外部テスト活用本授業では、2019年度の開始から、毎学期末にCASEC(英語コミュニケーション能力判定テスト)8)を活用している。CASECの最大の特徴は、試験勉強ができないことである。2番目の特徴は長文リスニングとディクテーション(空所補充)の2種類のリスニング問題が出題されることである。受験者個々の解答の正解・不正解によって、次の問題が選ばれていくコンピュータ適応型のテストシステムである。Webでの受験は40分から1時間程度で済み、終了と同時にテスト結果と助言が提示される。CASECのスコアだけでなく、英検の目安級やTOEICのスコア目安、TOEFLITPのスコア目安も知ることができる。本授業では学期末にCASECを実施することで、成績評価の一部とするだけでなく、現状を認識した上で今後の目標を立てるために役立てられるようにしている。2019年度は7月と翌年1月に実施した。授業開始から9ヶ月間のスコア推移は、37名のうち、推移なしまたは得点向上が28名に見られた(受講者の76%)。CASECは4つのセクションからなる試験構成であるが、4セクション全てで向上が見られなかったのは、0名であった。スコアの向上の最高点は、105点アップであった。2020年度は春学期が閉講されていた。秋学期末だけを見ても自分の変化がわからないため、秋学期開始時10月と翌年1月に実施した。授業開始から4ヶ月での推移ではあるが、受講者44名のうち、推移なしまたは得点向上が24名(受講者の55%)に見られた。全セクションで向上が見られなかったのは、1名であった。スコアの向上の最高点は、147点アップであった。2021年度は、7月と翌年2月に実施した。授業開始から9ヶ月での推移は、推移なしまたは得点向上が30名(受講者の58%)おり、全セクションで向上が見られなかったのは、1名であった。スコアの向上の最高点は、146点アップであった。本授業の受講者は学期終わりにCASECを受験し自身の英語力を客観的に測定している。その結果からその後の学期の目標設定を具体的にしたり、新たな意欲が芽生えていたりしたことが観察できている。高校側教員は外部テストでの結果に驚かれることがある。学習範囲がある高校での定期テストの成績と、「範囲」がないCASECでの結果では、定期テストでは見えない受講者の「違った一面」も見えると伺っている。5まとめ5.1意識調査結果より2022年度に開始した「スーパーハイブリッドローテーション」の受講者に対し、2022年度春学期の最後にGoogleフォームを利用し意識調査を実施した。62名から回答を得ることができた(回答率100%)。図24は、「この授業を一学期間受け終わりました。今のあなたの英語学習に対する気持ちは、次のどれに近いですか?」という問いに対する回答である。「まだ自信がない」と回答したのは2名で、60名(97%)が肯定的な回答をした。図25は、「この授業を受けて、高校では受けられない授業を受けている実感を味わいましたか?」という問いに対する回答である。「とてもそう思う」「少しそう思う」と肯定的な回答をしたのは60名(96%)であった。「この授業を受講するようになってから、英語や学習に限らず、自分の中で何か変化したことがあれば、中部大学教育研究No.22(2022)―70―図242022春学期末意識調査結果(1)5英語を学習することが、前より楽しくなってきている。16%1英語の学習は、まだ自信がない。3%2英語の学習を、前より努力してみようと思うようになっている。15%44英英語語のの学学習習がが、、前前よよりり嫌嫌いいででははななくくななっっててききてていいるる。。3344%%33英英語語をを学学習習すするるここととがが、、前前よよりり抵抵抗抗ががななくくななっっててききてていいるる。。3322%%図252022春学期末意識調査結果(2)1全くそう思わない0%2あまりそう思わない2%3どちらともいえない2%44少少ししそそうう思思うう3322%%55ととててももそそうう思思うう6644%%

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