中部大学教育研究25
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3.2学生の事前学習学生に対しては、教員が作成した以下の課題に取り組ませた。・医療英語(身体部位・症状・治療)・ホストファミリーとの生活を想定した挨拶、自己紹介・日本の看護制度の簡単な説明・訪問国の文化や保健医療福祉制度に関する基本情報の収集・整理とりわけ自己紹介は、ホストファミリーとの親睦を深めるうえで重要な要素と考え、事前発表会を実施した。発表後には簡単な質問も行い、対応力の向上を図るとともに、繰り返しの練習を促した。また、英語・英会話の事前学習としては、人間力創成教育院語学教育プログラムの小栗成子教授の協力を得て、eラーニング教材である「ARTCALLBRIX」を活用し、基礎的な英語力の強化にも取り組んだ。なお、英語力は本科目の目的や成績評価には含まれていないものの、ホームステイ中のコミュニケーションや、訪問先施設での質疑対応において、ある程度の語学力は必須である。特に、ホームステイ先のペア決定や、現地における安全管理の観点からも、事前の語学力把握は非常に有効であった。4看護海外セミナーの内容と学生の様子4.1出発前の予期せぬトラブル学生および引率教員の準備が整いつつあった出発2日前、国際交流課より連絡を受けた。クイーンズランド州沖にサイクロン「Alfred」が発生し、3月7日(金)にかけて沿岸部に影響を及ぼす可能性があること、さらに研修校であるグリフィス大学が3月12日(火)まで休校となる旨の情報を受けた。まずフライトへの影響については、教育旅行業者と連携し、航空会社から欠航の案内がないこと、ならびに搭乗予定便がサイクロンの沿岸部上陸から24時間以上経過した後に飛行する見込みであることから、安全に渡航できると判断した。そのため、空港集合時間などは当初の予定通りとした。一方、現地プログラムについては、大学の休校に伴い初日に予定されていた研修オリエンテーションおよびキャンパスツアーが実施不可となる可能性が生じたため、現地コーディネーターに再調整を依頼することとした。これにより、プログラムが確定しないまま出発することとなった。次に、大学としての安全配慮義務に関しては、学科主任および主任補佐と協議を重ねた上で、学生および保護者に対し以下の内容をメール文書で周知した。・現地にてハリケーンが発生している・フライト中継地であるシンガポールまでは運航予定であり、3月8日(土)の出発時刻に変更はない・シンガポールからブリスベンへの便は運航状況が不確定でありシンガポールで宿泊の可能性があること・ツアーをキャンセルした場合の費用は返金対象外である・引率教員及び待機教員が、国際交流課及び旅行業者と密に連携してサポート体制を整えているまた、学生には保護者とともに送付文面を確認するよう指導した。その結果、不安の声や問い合わせはなく、予定通りの出発を迎えることができた。4.2実際の看護海外セミナーの内容と学生の様子本セミナーの日程を表2に示す。<3月9日(日)Day2>3月8日(土)午前10時過ぎに中部国際空港を出発し、シンガポールのチャンギ国際空港を経由して、9日(日)午前9時過ぎにオーストラリア・ブリスベン国際空港に到着した。50年ぶりにブリスベンに上陸したサイクロンはすでに温帯低気圧に変わっていたものの、広範囲にわたる住宅地やインフラ施設では停電が続き、倒木や河川の増水、排水機能の低下により雨水が市街地に滞留するなど、公共交通機関(バスやトラム)の運休を含むさまざまな影響が残っていた。降り続く大雨の中、我々一行は、現地コンダクターが手配したバスにて研修校まで無事に移動し、校舎前の駐車場にてホストファミリーと対面した。その後、各学生はそれぞれのホストファミリー宅へと向かい、各家庭での滞在が始まった。当日の夕刻には、各学生中部大学教育研究No.25(2025)―66―表12024年度看護海外セミナーの全体スケジュール
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