中部大学教育研究24
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組み合わせて使用できる特徴がある。反復(繰り返し)命令を使用したプログラムは、タートルグラフィックス(図形の描画)を使用して学習する。Scratchの拡張機能として「ペン」がある。このペンを追加することで様々な線画を描くことが可能となる。「ペンを上げる」を実行して移動した後、「ペンを下ろす」命令の後に移動命令を実行することで線を描くことができる。これを繰り返すことにより、様々な線画を描くことができる。繰り返し命令を組み合わせることで幾何学模様も描くことができるため、1つ1つの動作をプログラムさせるのではなく、繰り返しを使用することでプログラムが簡略化できることの説明を行う。また、二重の繰り返しを用いることで図3のような少し複雑な図形を描くことができることも紹介する。Scratchでは、作成した作品は基本的に公開となるため、誰でも他の人の作品を見ることができる。また、そのプログラムソースコードも見ることができるため、たとえば、私が作成したプログラムを参考にすることができる。図3のような図形を描画するプログラムのソースコードも図4のように公開されており、参照して自分で作ることもできる。第3回では、条件分岐「もし~なら」を使用したプログラムを学習する。ここでは、簡単なゲームを作成しながらプログラムのしくみを学習する。「もし~なら」をゲーム内では「当たり判定」として使用する。図5のようにメインキャラクタ(猫)と障害物(カニ)、ゲームクリアのための宝石を画面上に配置する。猫とカニの接触や猫が宝石を取る(接触する)ところで「もし~なら」の命令を使用することで、当たり判定やゲームクリア(プログラム終了)の判定を行っている。これを応用することで、上からリンゴが落ちてきて、それをキャッチするゲームや、障害物を避けながら進むゲームなども作成可能となる。第2回に学習した繰り返し命令と第3回で学習した条件分岐命令を組み合わせることにより、第1回、第2回、第3回と学習が進行するにつれて、知識が身についていると実感できる。以上によって、この講座を受講すると、アルゴリズムの学習とプログラムの基本である「反復」と「条件分岐」について体系的に身につけることができる。小学校から大学までの情報教育用教材の開発―69―図2Scratchの命令(繰り返しと条件分岐)図3「繰り返し」による星の描画図4星で星を描くプログラム図5「もし~なら」を用いたミニゲーム

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