中部大学教育研究25
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就職後にもきっと役立つものであったのではないだろうか。キャシー先生には感謝の気持ちを込めて、中部大学の風呂敷をお渡しし、とても喜んでいただけた(写真7)。修了式の後は、キャンパス内のレストランへ移動し、キャシー先生を囲んでサヨナラパーティーが開かれた。チキングリルやビーフバーガーを味わいながら、趣味の話や日本の富士山についてなど、英語で和やかに会話を楽しんだ。パーティーの最後には、学生一人ひとりが今回の研修を通して得た学びを英語で発表し、それぞれが更なる飛躍を胸に誓っていた(写真8)。<3月15日(土)Day8>オーストラリアの自然や文化を体験する一環として、マウント・タンボリンの散策を行った。「タンボリン」という地名は、当地に自生するフィンガーライムの木にちなんでおり、アボリジナル・ピープルの言語に由来するとされている。バスで山頂まで上ることができ、展望デッキからは周囲に広がる山並みを一望することができた。その後は、国立公園内にある「ギャラリー・ウォーク」を散策した。山頂や滞在していた地域とはまた異なる、亜熱帯雨林特有の植物が生い茂る中、吊り橋が張り巡らされた空中通路を歩き、最後には雄大な滝を目にすることもできた。すばらしい景観の一方で、川の水は増量し大きな倒木も何本もあり、付近の民家や店舗には工事車両や作業員の姿もあった。このように、先日のハリケーン被害の影響も感じられる中、国立公園の麓には、地元で有名なチョコレート店や工芸品店など名産品がならぶマーケット通りがあり、学生たちも各店をはしごしながら楽しんでいたようである。<3月16日(日)-17日(月)Day9-10>現地での最終日、午前中をホストファミリーと共に過ごし、13時に研修校に集合して空港へ向かった。別れ際には、固い握手を交わしたり、さまざまなポーズで記念写真を撮ったりする中、涙をこらえる学生の姿も見られた。現地のコーディネーターや担当者、講師の先生方、ホストファミリーの皆さんは、いずれも学生たちの学びを第一に考え、教育的で温かい対応をしてくださった。定刻通りにオーストラリアを出発し、シンガポールのチャンギ国際空港を経由して、17日(月)8時に無事帰国した。5研修報告会帰国から1週間後に開催された研修報告会では、学生それぞれが研修や見学での学びをPowerPointにまとめ、発表を行った。現地での体調やホームステイ先での様子については事前に把握していたが、それ以上に、学生たちがさまざまな経験を通じて、小さな失敗や試行錯誤を重ねながら成長していたことがうかがえた。サイクロンによる停電や断水により不便な生活を強いられてはいたが、ホストファミリーとのロウソクの明かりでの生活や、手洗いが出来ないため、持参した除菌シートで手を拭いたりと、災害看護についても学ぶ機会となったのではないか。また、家庭にはバスタブがなく、お湯が貴重であるため短時間でのシャワーを求められるといった生活習慣の違いや、食事に関する家庭独自のルールなど、文化的な差異を肌で感じることができた。学生たちは将来の看護実践において、社会文化的背景を考慮した個別性のある看護の重要性について考察していた。本稿を執筆している2025年7月現在、これらの成果をもとに、同様のプログラムを基盤として、研修校における看護教育現場の見学を加える方向で再調整を進めている。今後ますます進むダイバーシティや多文化共生を見据え、広い視野を持った看護職の育成に向けて、担当教員一同、継続的に支援していきたい。中部大学教育研究No.25(2025)―70―写真7医療英語レッスンの修了式写真8サヨナラパーティーでの乾杯

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