中部大学教育研究24
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また、外部入力のセンサとしてmicro:bit用に様々なものが市販されており、アイディア次第でいろいろなことができるようになっている。中学校の技術の科目要件では、問題の発見と解決が盛り込まれている。そこで、次のステップとして、micro:bitとセンサ類を活用して生徒にどんなことができるか(したいか)を提案してもらい、設計、実装を行う。たとえば、土壌の水分量を調べ、不足しているようであれば、自動で水やりを行うシステムなどが考えられる。このような事例を用いた場合、技術教科の中の「生物育成」「計測・制御のプログラミングによる問題解決」の教材としても利用可能となる。3.3高校生用教材の開発高等学校のプログラミング教材としてLEGOSPIKEによるGUIプログラミングの教材の開発を行った。LEGOSPIKEは教育用LEGOのセットであり、いくつかのモータと数種類のセンサが付属しており、プログラミングによって動作や制御をすることができる7)。最初にプログラムの基本的な操作方法とモータ、センサの使い方を学習する。そのために図10のようにセンサとモータを組み合わせた「ベースロボット」の組み立てを行う。このロボットを使用して、モータ制御や各種センサのプログラミングの学習を行う。LEGOSPIKEでは、付属するアプリを使用することで、GUIプログラムとPython言語のどちらでもプログラム開発が可能である。GUIプログラミング画面は図11となる。高校生用の教材は、GUIプログラムで作成した。こちらもScratchと同様なデザインとなっており、直感的にプログラムを作ることができる。モータ制御、フォースセンサ(タッチセンサ)による障害物回避、超音波センサによる障害物回避、カラーセンサによる色認識、カラーセンサを用いたライントレース、ジャイロセンサ、LED表示など実習を行いながらトライ・アンド・エラーで学習する(図12)。最後の課題としてライントレース競技を行う。LEGOを教材として利用すると、ハードウェア(ロボット)の仕様変更が容易であり、トライ・アンド・エラーのサイクルを早く回すことができる。また、ほとんどの生徒が幼少期にLEGOに触れたことがあるため、苦手意識が少なく、学習の導入がスムーズとなる。3.4大学生用教材の開発大学生用の教材として、1年生の秋学期に全学科を対象に開講されている「情報スキル活用」の教材と、工学部情報工学科および、理工学部AIロボティクス学科のプログラミング言語の導入教育で使用するロボットプログラミング教材の開発を行った。3.4.1情報スキル用教材の開発本学のスキル科目の1つである「情報スキル活用」は、AI数理データサイエンスプログラム(リテラシーレベル)の選択科目の1つとなっている8)。そこでAIの学習教材として、図13のTeachableMachine9)を使用したAIの学習教材の開発を行った。TeachableMachineは、Web上で簡単に学習モデルの制作が可能であり、また学習結果の外部での利用も可能である。小学校から大学までの情報教育用教材の開発―71―図10LEGOSPIKEベースロボット図11LEGOロボットプログラム画面(GUI)図12高等学校の授業の様子

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