中部大学教育研究24
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ログラミング教材で使用したソフトウェアと同じである。学習手順は高校生用教材と同様、基本となるベースロボットを用いてモータ制御、フォースセンサ(タッチセンサ)による障害物回避、超音波センサによる障害物回避、カラーセンサによる色認識、カラーセンサを用いたライントレース、ジャイロセンサ、LED表示などを学ぶ。大学生用教材では、倒立振子のフィードバック制御や並列タスクなども学ぶ。またPython言語特有のリストなども学習する。最終の課題は2人または3人1組で行われ、目的達成型のミッションをクリアすることを目標としている。4おわりに小学生高学年、中学生、高校生、大学生を対象とした教材の開発を行った。いずれの場合においても、プログラミング学習を基軸として、生徒や学生が興味を持って学習してくれるような教材を目指した。小学生の教材としてScratchを用いたプログラミング教材を作成した。教材では、アルゴリズムからGUIプログラミングを学習する中で、プログラミング言語への応用が可能な反復と条件分岐について知識を身につけることができる教材とした。中学生の教材は、1つの市販教材を別のテーマでも利用可能とした。その中で、アナログ回路でできること、マイコンを搭載することでできることを学び、マイコンの汎用性やプログラミングによって、様々な問題が解決できるということについて学習できる教材とした。また、様々なセンサを用意することによって、自由な発想で応用が可能な教材とした。高校生の教材は、LEGOを用いた教材とした。LEGOを使用することで、基本的なロボットの設計が容易となるが、組み合わせによっては、複雑な機構を実現することも可能となるため、生徒の能力にあわせた授業が設定できる。また、目的達成型の教材とすることで、1人1台のロボットで授業を受けた場合はハードウェアとソフトウェアの両方を学習することができ、複数の生徒が1台のロボットを使用する場合は、役割分担とコミュニケーション能力を身につける事が可能となる。また、大学生の教材として、情報スキル活用とロボットプログラミング用の教材を作成した。情報スキル活用では、TeachableMachineとScratchプログラミングを用いたAIの学習教材とした。ロボットプログラミング教材は、LEGOを使用したPythonプログラムの導入教育用の教材を開発した。これらの教材は、地域連携講座や中学校の技術の授業、高等学校の情報の授業、大学の講義で使用される。今後は、作成した教材が生徒、学生に対してどのような学習効果があるか、改良や修正、資料や内容の更新を行っていく。謝辞小学校の教材作成と中学校の教材作成に関しまして、中部大学地域連携課の職員の皆様には大変お世話になりました。また、中学校の教材作成に関しましては、学校法人海陽学園海陽中等教育学校生田祐介先生に、高等学校の教材作成に関しましては、愛知県立日進高等学校松尾俊宏先生に情報の提供と多くの助言をいただきました。大学の教材作成には、藤吉弘亘教授、鈴木裕利教授、板井陽俊講師に助言、ご指導いただきました。この場を借りまして感謝の意を表したいと思います。参考文献1)文部科学省GIGAスクール構想の実現について,https://www.mext.go.jp/a_menu/other/index_00001.htm(アクセス日:2024年10月7日)2)文部科学省教育の情報化に関する手引(令和元年12月),https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_00724.html(アクセス日:2024年10月7日)3)文部科学省教育の情報化に関する手引について,https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_00117.html(アクセス日:2024年10月7日)4)Scratch,https://scratch.mit.edu/(アクセス日:2024年10月7日)5)micro:bit,https://microbit.org/ja/(アクセス日:2024年10月7日)6)MicrosoftMakeCode,https://www.microsoft.com/ja-jp/makecode(アクセス日:2024年10月7日)7)LEGOeducation,https://education.lego.com/ja-jp/(アクセス日:2024年10月7日)8)中部大学AI数理データサイエンスプログラム,https://www.cmsai.jp/education_program/(アクセス日:2024年10月7日)9)TeachableMachine,https://teachablemachine.withgoogle.com/(アクセス日:2024年10月7日)10)拡張機能Scratch(Stretch3),https://stretch3.github.io/(アクセス日:2024年10月7日)11)藤井,藤吉,“LEGOMindstormsを用いたプログラミング教育”,中部大学教育研究,81-87,2003.12)藤吉,藤井,鈴木,石井,“創成科目における創造性教育の実践とその学習成果の評価:情報工学科創成Ⅱロボットプログラミングにおける取り組み”,小学校から大学までの情報教育用教材の開発―73―

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