中部大学教育研究23
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力レベルとの相関は、IIBCの公開資料によれば、表1のように述べられている8)。2.2TOEICS&Wの概要TOEICS&WはSpeakingとWritingのテストである。前述のTOEICL&Rとは異なり、団体受験制度ではSpeakingのみ、Writingのみの受験も可能である9)。ただし、両方を受験する場合はSpeakingとWritingを続けて受験する必要があり、途中で中断したり、分けて受験したりすることはできない。Speakingの問題数は11問、試験時間は約20分であり、Writingの問題数は8問、試験時間は約60分である。どちらのテストもオンラインで行われ、受験者はコンピュータ上で音声を吹き込み、英文を入力することで解答する。スコアの範囲は、Speaking・Writingともに、0点から200点まで10点刻みで示される10)。受験する際は、試験開始までにアカウントの登録が必要である。受験期間内であれば、登録した受験者が一斉に試験を受ける必要はなく、自宅での受験も可能である。ただし、自宅で受験する場合は、システム上のトラブルなどが発生した際、各自の責任で対処することになる。受験料は、公開テストの場合、SpeakingとWritingを合わせて10,450円である。IPテストの場合は、団体特別受験制度適用により、SpeakingとWritingを合わせて9,215円となる。賛助会員に登録している団体では、8,115円で受験することができる。また、Speakingのみ、もしくはWiringのみの場合は、それぞれの受験料は6,285円である(賛助会員の場合は、5,185円)。2.3TOEICS&W実施における課題本節では、これまでTOEICS&Wを3回実施したなかで直面した課題について述べる。まずは受験料について、TOEICL&RがIPテストであれば、賛助会員による割引価格の3,000円程度で受験できる。これに対し、TOEICS&WはIPテストで、賛助会員による割引価格を適用しても、その倍以上の8,000円程度が必要である。定期的に英語発信力を評価するには、いささか高額である。次に受験環境について、十分な広さがある教室と受験者数分のコンピュータとヘッドセットを準備する必要がある。密閉型のヘッドセットを使用しても、周りの受験者の発声を完全に遮断するのは難しい。今回は少人数で実施し、隣との距離も十分空けていたが、人によっては、周りの受験者の解答する声が気になったものもいた。システム上のエラーも大きな課題である。今回3回実施した中で、初回と3回目で、システムエラーが数回発生した。そのため、Speakingの解答をやり直すことが複数の受験者でそれぞれ複数回生じた。コンピュータにシステムエラーはつきものであり、対処することも容易ではあるが、ほぼ解答が終わった段階でのやり直しは、受験者の意欲をそぐことにもつながる。また、採点対象は最後の解答(エラーが生じず完了した解答)のため、途中の解答の方が優れていたとしても、採点の対象とはならない。3スコアの分布3.1TOEICL&Rのスコア分布本節では2022年12月に実施したTOEICL&Rについて述べる。テストの結果を表2に示す。受験者は英語英米文化学科に所属する全学年の学生で、欠席者を除き233名が受験した。表2のスコア分布をグラフにしたものが図1である。中部大学教育研究No.23(2023)―80―表1TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表表2TOEICL&Rのスコア分布

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