中部大学教育研究24
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名の指導者が出席した。一方、授業では、病院や事業所の管理栄養士を招聘し、それぞれ現場での業務内容ややりがい等について講義してもらっている。さらに、2023年度および2024年度は、重点目標として「ノートの書き方」の指導を行った。本学に限らず、「記載が少ない」「実習内容の概要しか記載されていない」「何を学んだのか、何に興味を持っているのか、いろいろなことを書いてほしい」など実習生はノートが書けないと臨地実習先から指摘されることが多い2)。今回は本学での取り組みと成果について報告する。2指導方法実習ノートの形式に慣れることとメモを取る習慣を付けることを目的として、毎回実習ノートと同じ形式の用紙(図1)を配付することにした。1枚目(実習ノートの左ページ)は授業開始時に配り、講義内容をメモさせた。2枚目(同右ページ)は授業終了10-15分前に配り、講義で学んだことをまとめ、5段階で自己評価する時間とした。用紙は各自のファイルに綴じさせた。表2は基本的なノートの書き方として指導している内容である。具体例を提示して指導した。この他に、過去の学生の実習ノートを参考にして悪い例を作成し、それをどのように修正すれば良いのか考えさせ、解答例を示した。また、授業期間の途中で用紙(ノート)を綴じたファイルを回収した。次回の授業までに教員が大まかに目を通し、問題点について個別に簡単に指摘して返却した。2024年は、基本的には2023年度の指導を踏襲したが、実習ノートの右ページのタイトルを「反省・意見」から「今日学んだこと・反省」に変更した。学生の中には、「意見」を文字面のまま捉えてしまい、実習施設への批判や意見するような事を記入する学生が出てきたからである。3成果と考察各実習生のノートの書き方の評価は、臨地実習先の指導者から返却された臨地実習評価票を基にした。評価票にはいくつか評価項目があり、それぞれA(良い)、B(やや良い)、C(どちらともいえない)、D(やや悪い)、E(悪い)の5段階で評価してもらっている。今回の取り組みの成果を確かめるために、その中の「実習中のノートの提出および内容」での評価を2022年度と2023年度とを比較した(図2)。なお、人数は延べ人数であり、同一の学生が異なる2施設で実習をする場合もあった。2023年度8-9月実習では、実習生の50%がA評価となり、前年よりも有意ではないものの高かった。今回の指導で一定の成果があったと考えている。中部大学教育研究No.24(2024)―86―図1毎回配付したノートを模した記録用紙(1)基本的な書き方1.黒ボールペンを使用(鉛筆はNG)2.間違いの訂正①定規で二重線②印鑑を押す3.水平に書く(斜めはNG)4.9割は書く(字の大きさ、レイアウトを考える)5.行ったことを①具体的に②まんべんなく書く6.感想は控える7.話し言葉を使わない(2)実習ノートを書くコツ1.1つの文章を短く書く2.もう一歩踏み込んで書く(3)「今日学んだこと・まとめ」の書き方1.行ったこと、学んだこと、「気づき」を具体的に書く2.自分のことばで書く3.感想は控える。言い換える4.実習先や先生への批判はしない5.話し言葉を使わない表2実習ノートの書き方

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