2024幸友 VOL.27
10/36
りにスポットライトを意識的に当てて応援するべきだと思っています。逆に新美さんは同族経営をどう見ていますか?新美 お客様もステークホルダーも、名字が湯浅と知ると構える人が多い。若い社員の間では嫌われたら出世に響くのでは、業者は出入り禁止にされるのではと警戒する。今でこそ変わりましたが、トップダウン型企業でした。それではいけないということで、サラリーマン時代が長かった現社長が変えてきました。一方で歩み寄り過ぎると、今度は好き勝手言う社員が現れる。それでは会社は存続しません。即決力というトップダウンの良さはあっても、無意味な怯えや退職者が現れてはいけない。好き嫌いの有無は人間なので仕方ありませんが、評価に入れるべきではないと思います。塚本 当社は、中村玉緒さんを起用したブランディングで11年目を迎えますが、当初、「その契約料を社員に分配して」「管理費を値引きして」など、社員や利用者様のご家族から不満の声がありました。ブランディングの必要性は十分に説いてきたつもりですし、給与については評価制度を不満がでないような自動計算の仕組みに変えました。生方 平等ではなくなりそうなものは仕組みとして機能させ、時代が変われば修正する。ただ、理念は普遍的なものだと考えています。木野瀬 当社の社是は「利他共栄」で、最も最優先すべき理念です。利他共栄は、お客様や地域の利益を優先しながら、共に成長し発展する企業を目指すこと。同じことを簡単な言葉で言い続けることが大切です。生方 自社に対する情熱はおそらくオーナーが一番持っていると思います。会社の定義付けをきちんとして仕組みを整え、サステナブルな経営ができれば同族でもプロパーでも経営はできる。ではそのときにオーナーの存在価値をどこに置くかという点は気になります。木野瀬 私自身、言いたいことは言ってきたし、同族であろうとプロパーであろうとオーナーであろうと目標が一緒なら良い。会社のためを思って言い合うのは良いが、それが自己中心的になってはいけません。木野瀬 本日の中日新聞(近郊版)で、中部大学第1学生ホールがネーミングライツ事業で「湯浅糸道ホール」に名称変更されたという記事を拝見しました。最後に、各社の社会的責任についてお話いただけますか。新美 当社はメーカーですので、やはり供給責任です。受注したものを納品することはもちろんですが、納めたら終わりでなく一度販売したからには責任を持って安定した品質を供給し続けること。繊維機械は長いもので40~50年使われるものもあります。いまだ創業78年を迎える印刷会社。各種印刷物の制作・販売を事業の主軸としながら、春日井および小牧・豊山エリアで地域密着型の生活情報誌を発行。最近ではオリジナル文具の販売や印刷物の受発注システムや管理システムを提案するなど、新規事業にも力を入れる。木野瀬印刷株式会社幸友会会員企業失敗には意味がある。大事なのはその後の決断。中部大学幸友会 副会長木野瀬印刷株式会社 代表取締役会長きのせ よしたか 木野瀬 吉孝氏司会企業が取り組むCSR活動の今湯浅糸道ホール(第1学生ホール)。ネーミングライツ事業の締結記念として「湯浅糸道ランチ」を学生対象に250食無料提供する企画を実施。事前に配布されたくじで「当たり」が出た学生に、当日限定の特別なランチを提供した。09
元のページ
../index.html#10