幸友26
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出会い、そしてともに過ごす時間に全力を傾ける。企業人の格言企業のトップが語る人生訓Vol.Vol.1616大倉 慎(おおくら し)氏/1972年愛知県名古屋市生まれ。1998年一橋大学経済学部卒業。同年沖電気工業株式会社入社。2003年OKI Electric Europe GmbH出向。2006年東海エレクトロニクス株式会社入社。2010年常務取締役総合企画本部長就任。2011年代表取締役副社長就任。2013年代表取締役社長就任。現在に至る。東海エレクトロニクス株式会社代表取締役社長「一期一会」 茶道の心得を説いたこの言葉は、映画「フォレストガンプ」のサブタイトルとしても知られています。主人公が数奇な運命に導かれ、素敵な人生を歩んでいくストーリーに、私自身も人生を重ね合わせました。また、人生を振り返ったとき、たくさんの素晴らしい方との出会いや日々の幸せに感謝せずにはいられません。出会いは瞬間で一度きり。だからこそ大事にしたいものですが、年を重ねると、出会いの程度によって、この程度の付き合いだろうと、高を括ってしまいがちです。しかし、人間の可能性は無限大。偶然の出会いがかけがえのない存在になることもあるものです。その一方で対にあるのが別れです。急逝や離職など、自分の力ではどうにもできない突然の別れがあります。だからこそ自分ができる出会いを大切にする、出会って一緒にいる時間や場に全力を傾けなければならないと思うのです。また、この感情は日本だけにいたなら持ち得なかったかもしれません。以前、ドイツに駐在していた頃、仲の良い仲間との急な別れを経験し、良い出会いはより一層大切にしなくてはという思いが強くなりました。多様性あふれるヨーロッパ各国の仲間たちとの本音の議論を通して教えてもらったように思います。 当社は、エレクトロニクスのソリューションプロバイダーです。お客様の課題解決をトータルにサポートし、最適なソリューションを届けることが使命です。医療分野での知見を自動車の分野へ、あるいはロボット分野の技術を自動車分野へ。こうした異業種間の交流がビジネスを活性化しています。そうした意味では、未来のシステムを作る芽がどこにあるかを常に考えていなければなりません。出会いを大切にして、ハードもソフトも技術の新しい芽を感じ取り、お客様と新しいシステムを考えていくことが、課題を乗り越えていく上ではとても重要なことです。社長に就任して10年、仲間と一緒に新しい価値を生み出す力を社内に育んできました。では、この先の10年はどうするか。目指すは人づくりです。一期一会を大切に、次世代を担う若手を積極的に育てる機会をつくっていきたいと思っています。09

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