2024幸友 VOL.27
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にひと昔前の他社の機械部品の問い合わせがあることを考えれば、会社を存続させることが一番の責任だと感じます。仮に問題が起きたときに対応するのも責任。そこに人材や会社の経営手腕が関わってくると思います。近年はロボットの活用や自動化が盛んですが、全てをロボットに置き換えるのは無理な話です。ネーミングライツへの申し込みはとにかくやってみようというのが当社のポリシーで始めましたが、誰かが喜ぶことをしたいという思いもあり、学生へランチを250食無料配付しました。たとえ学生が入社しなくても湯浅糸道という社名は知ってもらえるし、何かのきっかけになればいい。供給責任と同じで、一度で終わらず継続することも会社としての責任です。塚本 事業そのものが社会的責任ですが、3年前から全国有料老人ホーム協会の副理事長も務めています。介護保険の法改正のときには研究会に参加するなど、国を動かす一部分に関わる以上、公費をいただく会社をしっかりつくりあげなければなりません。同時に、さまざまな社会貢献活動にも取り組んでいます。たとえばFC.フェルボールという春日井を拠点としたジュニアサッカーチームのスポンサー活動もその一つ。一度の寄付はできると思いますが今年で7年目を迎えました。継続です。また、介護の地味なイメージを変えたい、仕事に誇りを持ってほしいとの思いから、プライベートチームで鈴鹿8時間耐久ロードレースに参加しています。始めた以上続けたいという思いは新美さんと同じで、そこに面白さを感じて人材育成にも繋がればさらにいいですね。生方 供給責任がまず一つと、当社の特異的なところで言うと、先のモータープロテクターは規格で装着が義務付けられています。儲かるからではなく、人の命を守るために必要で創業当時のエンジニアがつくった製品。当時は法律で決められていなかったものが、後から大事だと認められて規格化されたわけです。実はコンプレッサーの性能が良くなればプロテクターは要りません。当社はプロテクターメーカーでもなく感震器メーカーでもなく、人の命を守るための集団ということさえ定義付けしておけば、必要なくなれば良し。では次に必要なものは何かを社会的責任と捉えてつくっていけば良いと思っています。木野瀬 私は、新入社員の研修時に、「私益、共益、公益」について必ず伝えています。「私益」は自分の利益や会社の利益。「共益」は同業者間で独り勝ちはない。当社だけが儲かることがあってもそれは長続きしない。相手を倒せばいいという商売はしない。「公益」は、地域に対していかに貢献するかということ。これらを当たり前に考えられる集団にできれば温かい会社になるだろうと思い、数十年絶えず言い続けてきました。最後は、そんな私の願いを結びにして終わりたいと思います。本日はありがとうございました。特 集 特 集 事業承継と企業存続を考える㈱フロンティアの介護が公式スポンサーとして応援しているジュニアサッカーチームFC.フェルボール。Jリーガーとして活躍する選手や日本代表選手をたくさん輩出している強豪チーム。2018年4月から未来を担う子どもたちの夢を応援中。10

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