2025幸友 VOL.28
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デンソー本社5号館の玄関から入り、正面のエレベーターで3階へ。扉が開くと、デンソーミュージアムのモノトーンのロゴが、気品高く迎えてくれた。ミュージアムのコンセプトは、「これまでとこれからの挑戦のストーリー」。フロアは、「オリジン」「ヒストリー」「ザ・コレクション」「シアター」「ビジョンスタジオ」の5つのゾーンで構成され、デンソーの過去・現在・未来を約250の展示を通して見渡すことができる。その最初のゾーンが「オリジン」だ。名称の通り、展示・紹介されているのは、デンソーの原点である創業から約10年の激動期。足を踏み入れると、中央の床のディスプレイに、デンソー誕生のきっかけとなった創立前夜のエピソードを再現した映像が流れた。「自動車電装品の内製化」という難題に対して果敢に挑戦する当時の張り詰めた空気感を、足元から伝わる音響と振動が高めてくれる。そのディスプレイの大きさが、デンソーのはじまりである3坪の作業場を表していた。「オリジン」では、ほかにも当時の技術を生かして開発した電気洗濯機やドイツのボッシュ社との技術提携などのエピソードが、実際の製品や資料、印象的な言葉とともに紹介されている。苦難を乗り越え歩んできた先人たちの軌跡がそこにあった。 次の「ヒストリー」ゾーンでは、デンソーの社会課題への挑戦と社員たちの想いが紹介されている。入ってすぐに目を引く展示が、天井から吊られたタペストリーだ。人物のイラストと強い志を感じる言葉がデザインされていて、未来を創るのは人の意志だということを想起させる。テーマごとに並べられた製品の開発段階のメモや試作品は、自動車業界の方のみならず技術者の好奇心をくすぐる展示だ。また、デンソーの技術を語る上で欠かせないのがQRコードだろう。日々の暮らしで目にしない日はないほど普及する2024年12月に創立75周年を迎えた株式会社デンソーは、長年、ギャラリーとして親しまれてきたスペースを、本年6月、ミュージアムへとリニューアル。今回は、デンソーの過去・現在・未来を展示するミュージアムで、人と技術が織り成す物語に出会いました。◀1950年にデンソーが発売した電気自動車「デンソー号」の復元モデル。▲1962年から2017年までのメーターを展示。 ボタンを押して起動することができる。16デンソーミュージアムHISTORYORIGIN13
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