2025幸友 VOL.28
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減り、機械の台数が減ると設置するスペースも少なくて済むため、5台の機械を2台に、場合によっては1台にすることを実証しながら、お客様との交渉を丁寧に進めています。 1948年に創業した当社は、中部地区の工作機械メーカーと比べると若い方ですが、それでも77年目に入りました。1960年代には普通旋盤を、70年代にNC旋盤、80年代に立形マシニングセンタをつくり、90年代に横形マシニングセンタ、2000年代には複合加工機、2010年代に5軸加工機を稼働させています。工作機械は、電気、機械、ソフトウェア、材料等のさまざまな分野の技術の集大成です。こうして10年ごとに技術が大きく変わるたびに、ビジネスモデルを発展させ、提供する製品・サービスを進化させて成長してきました。そうした中で、売り方も変わってきています。 1970年代、当社は総合商社に頼んで海外へ機械を運び、現地の代理店に販売してもらっていました。その後2000年頃になると、当社が直接、ヨーロッパやアメリカ、アジアの代理店とお付き合いをするようになり、現在では代理店を使わずに当社の社員が直接世界中のお客様へ販売しています。さらに、お客様と直接インターネットでつながることで、お客様の購買担当者と技術者と当社のセンタがつながるため、代理店経由のビジネスはさらに減少傾向にあります。 当社のビジネスで一番の要は加工精度と加工時間で、そのために不可欠なのが優秀なエンジニアです。当社の従業員数は、約13500名(2024年末時点)。そのうち、製造に関わる従業員数は4900名です。それ以外の8600名は、インダストリアル・サービスと呼ばれるメンテナンスやオーバーホール、スペアパーツの販売、プログラマーなどの人材です。この8600名のうち2500名のフィールドサービスエンジニアは、世界の各拠点でネットワークを介してつながっています。MXの実現に向けて、今後もこうしたエンジニアの採用を積極的に進めていく予定です。 お客様もこの20年で大きく変わりました。業界・業種別の受注構成比を見ると、名古屋に本社機能を移した2004年当時、34%だった自動車は現在14%に減り、半分がEVです。一方、金型は7%から12%、精密・半導体は11%から15%、メディカルは2%から8%、当時、航空・宇宙と一括りにしていた業界も、現在はそれぞれに分けて、11%と7%に成長しました。こうして伝統的な製造業から最先端の成長産業に至るまで、多様な業種のお客様へ加工ノウハウを提案し、産業社会の発展に貢献しています。また、20年前は国内と海外で約半分だった地域別受注構成比も、現在は日本が約10%で海外が90%になっています。日本では、アメリカや中国の話題が大きく取り上げられがちですが、当社にとってヨーロッパは大きな市場。世界各国の需要を取り込むことで、事業の安定化を図っています。 さらに、こうしたダイバーシティにおいてお客様の規模も重要です。当社のお客様のうち50%強が従業員100名以下の企業で構成されています。工作機械メーカーとして大切なことは、お客様と目線を同じにしてしっかりと対応していくこと。多様なお客様とのお付き合いが、当社への加工ノウハウの蓄積となり、蓄積されたノウハウが、次のお客様の課題解決のお手伝いへと好循環を生み出しています。最後に、人的資本についてお話します。当社は2年前に新入社員の初任給を引き上げました。日本で若者がサステナブルに働くには平均的な賃金では魅力を感じません。当社では同じものを同じように、ドイツ、アメリカ、中国で製造しています。国内企業と比較するのではなく、同じレベルの人材が世界でどれくらいの報酬を得ているのかをチェックし、労働時間や有給休暇などについては数値目標を設けて多様な働き方を導入することで、生産性や効率性の向上に積極的に取り組んでいます。約10年ごとに社会的ニーズの変化が訪れる工作機械業界。そうした変化に応じて売り方や働き方、販売地域などをどうするかをよく考えて対処していくことが生き残っていくには大切です。ダイバーシティのススメ変化に応じて目指す成長26

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