2024幸友 VOL.27
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本日は、「日常を変革する」というテーマで、セブン-イレブン・ジャパンがいかに成長してきたか、その根底にある「単品管理思考」についてお話しします。 当社は1973年に創業し、昨年50周年を迎えました。ダーウィンの有名な言葉に、「自然界において唯一生き残れるのは最も変化に対応できる種」とあります。進化とは適応、つまり変化に対応することです。これは生物に限った話ではなく、一般社会においても同様であると肝に銘じて会社運営を行い、イノベーションを進め続けてきました。このイノベーションという言葉の本質は、日常に変革をもたらすことと捉えています。たとえば今、スマートフォンがない日常を想像できるでしょうか。まさにスマホが日常を変革したと言えるでしょう。このように、日常こそが最大のマーケットだと捉え、商品やサービス、店舗を通じて日常に欠かせないものにすることを考えて、当社はコンビニエンスストア業界の先頭に立ち、日常化にチャレンジしてきました。 セブン-イレブンの誕生は、1927年、アメリカテキサス州ダラスの小さな氷屋に遡ります。その後、1946年に朝7時から夜11時まで営業する店としてセブン-イレブンを名乗ります。そして、氷屋でありながら100種類以上のアイテムを揃え、近隣住民からニーズを聞き取り、品揃えを増やしていきました。まさにここが近代コンビニエンスストアの原型が生まれた場所だと、私は2012年に渡米した当時思いました。一方、1970年代の日本を振り返ると、小売業は百貨店や大型スーパー全盛時代で、小型店舗は窮地に追い込まれていました。そこでイトーヨーカ堂が参考にしたのがアメリカのセブン-イレブンでした。当時の頼みの綱は、契約して手に入れた3冊のマニュアル。しかし、そこに経営ノウハウは全く記載されておらず、創業メンバーは愕然としたそうです。当時の小売業界には店舗が自由に商品を発注できる仕組みはなく、当社からその挑戦が始まりました。そして日本版セブン-イレブンのモデルを確立日常を変革する~単品管理思考とイノベーション株式会社セブン-イレブン・ジャパン取締役副社長 営業本部長 のだ しずま野田 靜真氏Profile1959年佐賀県生まれ。1987年セブン-イレブン・ジャパン入社。現場オペレーションの責任者を歴任。2005年より同社執行役員。2012年米国7-Eleven, Inc.出向、EVP/CEOアドバイザーとしてオペレーション・商品・出店の改革をサポート、現在の礎を築く。2016年帰国、取締役執行役員オペレーション本部長。2018年取締役常務執行役員リクルート本部長。2023年取締役専務執行役員営業本部長 兼 オペレーション本部長 兼 リクルート本部長。2024年より現職。 日常こそ最大のマーケット挑戦と変革の歴史講師日時:2024年4月24日(水)15時50分~会場:名古屋東急ホテル3階第36期総会講演ダイジェスト演題27
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