2024幸友 VOL.27
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木野瀬 まずは皆さんの事業内容を教えてください。塚本 当社は主に介護施設運営および介護関連事業を展開しております。フロンティアの介護という社名の如く、介護業界の開拓者となれるように運営を進め、年末には介護施設100棟目を達成します。弊社はM&Aもしくは事業譲渡により施設を増やしておりますが、背景には、お年寄りが増えていくのに、介護施設の運営が行き詰まってしまう日本の歪な受給バランスがあります。その理由の一つは後継者不足。また、他業種へ転職する方が多く人員の確保ができず、当社のような事業体に運営を任せざるを得ないケースです。一方で、譲り受け時は人員不足のため、当社が運営を始めてもすぐに人材を供給できるわけではありません。今はこの人材不足の解決を最大のテーマとして動き出したところです。生方 当社は創業68年目で、私は生方家としては3代目です。当社のモットーは、「製品とサービスを通じて社会に安全を供給する」。主要製品は、エアコンの室外機の爆発を未然に防ぐモータープロテクター。これが世界シェアナンバー1で年間約6千万台つくっています。また、皆さんの家にも必ず設置されている地震の際にガスを止める弁を作動させる感震器。これが日本国内シェアで93%。さらに、経済誌『フォーブス』でグランプリを獲るきっかけになったのが、電気自動車の火災を防ぐ直流遮断器です。全ての製品に言えるように、人の命を守るために必要なものをつくっている会社だと思ってください。名古屋市南区に本社を置く中小企業です。新美 湯浅糸道工業の新美です。中部大学卒です。役員になって3年を迎えるところです。当社との出合いは、大学3年次のインターンシップがきっかけでした。創業はちょうど100年前の1924年、始まりは湯浅商店という糸づくりに使う部品を買って売る商社でした。しかし、品質のばらつきによりお客様からのクレームが多く、それを機に自社製造を始めようと1963年に設立したのが湯浅糸道工業です。最初はお客様からの注文でつくっていましたが、このままではずっと請けの仕事になってしまうと考え、2代目社長のときに開発・設計・製造を全て手掛けた自社ブランド製品を確立。そうした先代たちの努力もあり、今では各国のお客様に自社製品を買っていただくビジネスへ移行。メインは中国ですが、国内でも糸メーカーに加えて、細長くて巻くことが似ているためモーターメーカーなどにも販売しています。木野瀬 会社を継いだきっかけを聞かせてください。生方 私は生方家の人間ですが、入社は31歳のとき。父から「継ぎなさい」と言われたことは一度もなく、私自身はじめに-各社の事業紹介-会社を継いだ経緯と仕事・職種への愛着東海地方を中心に全国で100の介護施設を運営。笑顔を大切にしたあたたかなサービスと定評のある介護技術により、高い満足を獲得。介護業務のICT化、DX化を図り、専用窓口を設けてメンタルサポートを行うなど、働きやすい環境整備にも注力している。株式会社フロンティアの介護幸友会会員企業新しく多様な力の吸収が成長と存続には不可欠。株式会社フロンティアの介護 代表取締役 つかもと ゆき 塚本 友紀氏規模は小さくても、独自の技術やアイデアで世界規模の活躍をする企業を発掘・表彰するForbes JAPANの名物企画、「スモール・ジャイアンツ アワード」でグランプリを受賞し、生方眞之介氏が2022年4月号の表紙を飾った。特 集 特 集 事業承継と企業存続を考える04
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