幸友26
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特集中部大学からの学び直しのススメ〜智識の森で、未来を拓く〜回開催しました。企業間で交流ができ、気軽に相談ができる関係が生まれたようです。さらに15回の講義が終わった後には、もう少し高度で実践的な知識を身につけたいという企業からの要望を受け、10月からは隔週で8回の講義「アドバンスコース」を開講しました。 受講者には好評で実力がついたという声も聞くことができました。自分でプログラムを組める力が身につけば、企業が機器を購入する際に、価格や機能が適切かをきちんと判断できるようになるでしょう。また、将来AIを導入することで高度な処理や、自動化による省人化も期待できます。ある企業の受講者からは、また別の2名を受講させますという声をいただき、社内でAIの知識を持った人材をもっと育てたいという強い意思も感じました。 この2年間はAIがテーマでしたが、来年の2月には、理工学部の平田豊教授を講師として、「生体信号解析・評価の基礎と応用」をテーマとした講座(全5回)を開講予定です。今は工学が中心ですが、今後は、理系だけでなく文系や文理融合の分野、あるいはSDGs、カーボンニュートラルなどにどう対応していくかまで含めて社会と大学が連携を図れるテーマ、地域や社会からの要請に応えられるテーマを提案していきたいと考えています。 本プログラムは、教授陣にとっても良い効果があると思っています。大学の教員が行う研究には大きく分けて二つのタイプがあります。一つは、自分の興味のある分野を自らの観点で進める研究。もう一つは、社会の中の大学と言われるように、社会のニーズに基づいて知恵を還元する研究です。後者の研究では、企業との共同作業により、新たな将来展望が生まれたり、自身が変貌を遂げたりすることもあるかもしれません。一つは科学研究費を獲得して自分のしたい研究をする。もう一つは企業と連携することで研究費を得る。どちらも外部資金の獲得として重要ですが、そこに学生が関与すれば、企業と直接関係ができる、社会の仕組みを知ることもできるといったように学生にとっても大きなメリットがあります。 技術者は、世の中の進化に合わせて常に勉強が求められます。新しい技術は何か、その進化にはどんな知識が必要か突き詰めていかなければなりません。働きながら自分のスキルアップを図ることもできるかもしれませんが、自ら自分の技術を高めていくには限界もあるでしょう。習った知識が古くなることもありますし、各分野で研究開発が進めば、いち早く最先端を取り込んでいかなければなりません。そうしたときに、本プログラムはシステマティックに教えてもらえるというメリットがあります。社会人であれば自らスキルアップすることが当たり前という時代から、今はどんな業界でも社員のスキルの底上げを企業が意識する時代になっています。少子化もあり、個々人に多方面の能力を求めざるを得ない昨今、社員一人ひとりに勉強してほしいと望むのが企業側の思いではないでしょうか。そのときに社員が持つべきものは、世の中の問題を解決したいという強い意識や意欲です。新たな着想を得るには、常に問題意識を持ち続けることが大切です。 大学は敷居が高いと思われがちですが、決してそんなことはありません。中部大学では技術相談ができる窓口を設け、アドバイザーもいますから、まずは連絡してください。大学教員とのつながりをきっかけにして、何か問題解決の糸口をつかんでもらえればありがたいですし、もっと気軽に大学のリソースを使ってもらえることを望みます。解決したいと願う先にある新たな着想社会の要請に応えるテーマを見据えて04

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