2025幸友 VOL.28
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機器を導入しました。しかし、子どもたちに学力低下や心身の不調が現れたことから2023年に紙の教科書に戻しています。シンガポールでも小学生へのデジタル機器の配布を中止しました。デジタル化にはメリットもありますが弊害もある。それこそロジカルシンキングが鍛えられるのかという疑問も残ります。そうした効果や影響を研究できるのが大学かなと思います。前島 私たち人間は高等動物の類ですが、物事の習得には訓練が必要です。その訓練がデジタルで可能かの判断は難しいですが、知識を問う教育からは変わってきました。必要なのは専門用語や学問の基本的な概念や定義の理解です。それらがあれば、どこへ行っても考える基盤になります。その基盤づくりが大学の4年間だと思います。木野瀬 中小企業にとって生産性向上と人手不足は喫緊の課題です。その課題解決にもつながりますが、留学生の充実を期待します。企業としては中部大学の外国人卒業生なら安心して雇用できると思います。春日井市の人口は現在約30万人、内1万人が外国人です。人口が微減で留まっているのは外国人が増えているからです。前島 留学生の受け入れは、住居や言語、就職の問題を踏まえた上で拡充していく方針ですが、一番の課題は言語です。英語での講義を望む声もありますが、留学生に聞くと、日本は住みやすく、仕事に就けるならこの先も日本で暮らしたいという声が多いです。ですから、日常生活に支障のない日本語力の習得を目指しています。木野瀬 日本で働く彼らにとっては日本語での講義の方が良いです。しかし、日本語を教える人がいないのが現状です。また、授業を行う場合、企業に点在する外国人を一堂に集めるのは難しく、この課題解決を大学で取り組んでいただけませんでしょうか。前島 たとえば、最初の基礎編対象者には遠隔授業で、その後の中級編は人数を絞って対面で行う。その授業を神領駅の近くに施設を作ってスクーリング形式で行う方法はいかがですか。木野瀬 いいですね。それを大学のビジネスにしていただければ社会貢献になりますし、特色の一つにもなると思います。企業には今後必要な教育ですから受講料は会社負担でも会員企業は喜ぶと思います。木野瀬 企業が今後目指すべきはイノベーションです。企業は自らの業態をお客様や社会の求めに応じて変革していくことで、生き残りが図れると思いま人として世界を理解し世界の課題を読み解く力を習得させたい中部大学 学長 前島 正義1954(昭和29)年静岡県浜松市生まれ。1976(昭和51)年名古屋大学農学部農芸化学科卒業。1981(昭和56)年名古屋大学大学院農学研究科農芸化学專攻博士課程修了。農学博士(名古屋大学)。専門は生化学、分子細胞生物学、植物生理学。2025(令和7)年から現職。中部大学が信頼され、ブランド力を高めるには何が必要でしょうか。幸友会と大学との今後の協働についてはいかがでしょうか。05
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