幸友26
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 2022年11月30日、「チャットGPT」の登場をきっかけに、第3次AIブームが終わることなく新たなフェーズ、「基盤モデル」の時代に入りました。第4次AIブームの到来です。AI技術は、これまで工場のライン等の「特別な場所で特別な人が使う」ものでしたが、今は、「AIに詳しくない人も利用する」時代になりました。その一つが自動運転です。日本ではまだ一般的ではありませんが、アメリカのアリゾナ州フェニックスでは、アプリをダウンロードすれば無人の自動運転タクシーを利用できます。もう一つは、先に述べたチャットGPTです。使用するには登録が必要ですが、まだ使っていない人も今後、必ず使うようになります。チャットGPTはマイクロソフトのオフィスソフトに組み込まれ、ワードやエクセルなどで今まで手作業で作っていたものが、メッセージを入力すれば、文書作成や解析をしてくれます。つまり、AIを使っていることを意識せず作業の効率化に貢献してくれる基盤となり、生活のインフラになっていくこの状況が、第4次AIブームが到来したと言われる所以です。 そうした状況の現在、「CUシナジープログラム」の「AI基礎と応用」の講座には、モノづくり企業の若手の技術者に多く受講いただきました。AIの技術は日進月歩で進化しているため、まずはAIを正しく使うことが重要です。AIが導き出す結果はとてもスマートですが、AIのシステムを作る過程は、人が大量にデータを収集し、データにラベルを付与して、何度も試作するという非常に泥臭い作業が伴います。AIを使ったサービスや製品を作るためには、AIの仕組みをしっかり理解した上で作り、使わなければなりません。講義ではこうした基礎を知るだけでなく、演習を通してAIを作るプロセスを一通り体験することで深く理解できますし、「プロジェクト課題」では、企業が持つ実際の問題を使ってプログラムを作るため、自社に戻ってからも業務に展開しやすいと思います。また、本プログラムは日本ディープラーニング協会が認定するプログラムですので、受講修了が認定されると、AIを実装するエンジニアを証明する「E資格」の受験資格を得ることもできます。AIの正しい活用にCUシナジープログラムをご利用ください。開設から2年目を迎え、企業・大学間の連携もより密になってきた「CUシナジープログラム」。講師を務める藤吉弘亘教授と、受講企業2社に講座についてお話を伺いました。ヤマザキマザック株式会社先行開発センタ最適化制御二グループ ごとう やすひろ   後藤 康泰さんヤマザキマザック株式会社https://www.mazak.jp/ソフトウェア技術者として、AI技術を活用した開発の知識の必要性と同時に、プログラムを動かせても中身まで理解が及ばないという課題も感じていました。そこで、本プログラムでは、AI技術の基礎から活用例まで学習でき、さらに得た知識を実際に活用するプロジェクト課題を行えることから受講しました。「ニューラルネットワーク基礎」では、さまざまな機械学習アルゴリズムの基礎となる数学的な理論の学習に始まり、演習では理論式のプログラムへの落とし込みから徐々に複雑なネットワークを作成、さらには機械学習用パッケージを利用した場合の書き方へと、段階を経たことで難なく理解を深めることができました。終盤の「プロジェクト課題」では社内の開発テーマを持ち込ませていただきましたが、用意したデータが良くなかったためAIの改良を行うまでには至りませでした。今後も社内ではAI導入も含めたデータ活用の検討が行われていくことから、この反省を生かし、実際にAI開発を行った経験のある者ならではの視点を開発に持ち込めるように努めていきたいと考えています。受講企業様の声 01CU Synergy Programふじよし ひろのぶ     理工学部 AIロボティクス学科 藤吉 弘亘教授会社概要〒480-0197愛知県丹羽郡大口町竹田1-131【創業】1919年工作機械のグローバルリーダーとしてCNC旋盤、マシニングセンタ、レーザ加工機から複合加工機、5軸加工機、ハイブリッド加工機まで、幅広い製品レンジを展開するとともに自動化、IoTソリューションを提案。国内外11カ所の生産拠点を擁する。05

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