2024幸友 VOL.27
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はよくあることですが、真似をして追随してくる。でも真似されてできることならそこに価値はもうない。だから当社は、他社に真似されるか否かというところに製品価値を生み出し、自分たちで考えたものは値引きしないというポリシーを持って営業しています。利益が出ていなければ値上げしますし、取引先の規模が理由で値引きはしません。それだけプライドを持って製品をつくっているということです。請けの仕事から業態変革して自社ブランドをつくってくれた先輩方にはとても感謝しています。木野瀬 新規の事業は大抵失敗するものです。一方で、成功したらしたで他社もできることを理解しなければならない。ただ、失敗という経験からは必ず何かが生まれる。そのときに諦めるか続けるかという決断の方が大事だと思います。木野瀬 人口減少社会が本格化し人手不足が叫ばれています。当社は技能実習の監理団体もしていますが、皆さんの外国人労働者の雇用状況を教えてください。新美 約70名の社員のうち、営業部には中国人とベトナム人の正社員が1人ずつ計2名の営業がいます。全員で6名ですので、3分の1が外国人です。製造現場には派遣社員も技能実習生もいませんので、正社員でベトナム人が2人、中国人が1人です。労働力というよりは人物を評価しての雇用で、人件費の観点での採用はしていません。今後は外国人労働者も必要になると思いますが、現スタッフも中国語と英語、日本語ができるという語学に長けた強みを見込んでの採用です。生方 社員200名で、中国の工場と米国法人を合わせると約600名。本社の経理のトップは中国人で、営業にも中国人がいます。ほかにも台湾人、バングラデシュ人もいます。新美さんと同じで、彼らのスキルや長所も最大限活かして完全な戦力として働いていただいています。ただし、当社は現場で一時的に人が必要になる時季があり、期間限定で派遣社員を採用するときは中国、フィリピン、最近はブラジルの方の採用が増えました。塚本 当社は現場を回すため、この2年で多くの外国人スタッフを受け入れています。しかし、日本がこの不況で選んでもらえない国になってきました。そこで、自社で人材確保をコントロールできるように、9月にネパールに介護の学校を開校しました。3カ月間、現地で日本の文化や所作を学んでもらい、日本に入国後すぐに実働できることを目指しています。始めたばかりですが、来年1月には約20名が入職予定です。外国人が稼ぐために他国を選んでしまうのが正直辛いところです。木野瀬 そこは変えていくべきところですね。当社も外国人の正社員がいますし、家族も日本に呼び寄せる時代です。国連は1年以上住めばその国の移民と定義していますが、日本はそうではない。それが選ばれない国の理由の一つと言えるでしょう。いま大学の先生と協力し、働く人へ日本語教育がきちんと届く組織を作ろうとしています。そういうことから変えていかないといけない。今後、企業の存続を考える上では外国人労働者がキーワードになるはずです。新美 最初は短期でお金を稼ぐために日本へやって来る。でも、当社の外国人スタッフは、「日本は住みたい国」「家族を連れて来たい国」だと言ってくれ外国人労働者の受け入れを考える07

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