研究ガイドブック2024
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参-1-6 6 野の細分化や専門性の深化、研究活動体制の複雑化・多様化の結果、科学コミュニティにおける問題として自浄作用が働きにくくなっている、との指摘もある。 このような指摘等の背景には、これまで不正行為の防止に係る対応が専ら 個々の研究者の自己規律と責任のみに委ねられている側面が強かったことが考えられる。今後は、研究者自身の規律や科学コミュニティの自律を基本としながらも、研究機関が責任を持って不正行為の防止に関わることにより、不正行為が起こりにくい環境がつくられるよう対応の強化を図る必要がある。特に、研究機関において、組織としての責任体制の確立による管理責任の明確化や不正行為を事前に防止する取組を推進すべきである※4。 また、研究者や研究支援人材、学生、外国人といった研究活動を行う人材 の多様化、共同研究体制の複雑化が進展していることを踏まえ、研究機関においては、共同研究における個々の研究者等がそれぞれの役割分担・責任を明確化することや、複数の研究者による研究活動の全容を把握・管理する立場にある代表研究者が研究活動や研究成果を適切に確認していくことを促すとともに、若手研究者等が自立した研究活動を遂行できるよう適切な支援・助言等がなされる環境整備(メンターの配置等)を行うことが望ましい。研究機関においては、このような適切な研究体制が確保されるよう、実効的な取組を推進すべきである。 ※4研究活動の不正行為に対する研究者、研究機関の責任については、本ガイドラインに添付した「参考資料1」を参照のこと。

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