研究ガイドブック2024
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研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)の 改正について 平成19年の「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」策定及び平成26年の改正以降、公的研究費の不正使用防止に関する取組につきましては、対象となる各研究機関において、本ガイドラインに沿った取組が行われてきたところであり、多くの研究機関において研究費不正防止の土台が構築されているところです。 しかしながら一方では、取組の効果が発揮されず、残念ながら不正を発生させてしまう研究機関もあります。研究費不正によって研究機関の信用が大きく傷ついてしまうこと、優秀な研究者を失ってしまうことは、国にとっても大きな損失であり、わが国の科学技術・学術の発展のためには研究費不正を根絶することが喫緊の課題となっています。 研究費不正根絶のためには、各研究機関において全ての構成員の意識を高め、不正を起こさない、起こさせない組織風土を作り上げることが極めて重要です。例えば、研究者が研究費の正しい使い方について相談しやすい支援体制を整備することや、研究者の理解と意識向上を図るためのきめ細かいコンプライアンス教育を研究者に届くよう工夫して実施することなどにより、研究費不正を未然に防ぐ環境を整えることが有効と考えます。 研究費不正を防止することが各研究機関の組織や研究者を守ることにつながるものであることを認識し、機関の長のリーダーシップの下、それぞれの研究機関の組織風土に合った、創意工夫ある主体的な不正防止策を組織全体として講じていただきたいと考えております。このような環境づくりを目的として、監事の役割の明確化、不正防止の組織風土形成に資する啓発活動の実施、専門的知識を有する者の活用による内部監査の質の向上などを盛り込んだガイドラインの改正を行うこととしました。 今回のガイドライン改正に盛り込まれた各事項は、既に多くの機関で実施され成果を挙げている取組を明確化したものとなっています。各研究機関におかれましては、今回の改正を機に、自らの機関における取組を再点検し、研究費不正の根絶に向けた効率的かつ実効性のある不正防止対策を実現してください。 令和3年2月1日 文部科学大臣 萩生田 光一 参考資料2

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