2021研究紹介
15/111

14キーワード相談に応じられる内容コンクリート構造物のライフサイクルシミュレーションITOH Atsushi工学部 都市建設工学科教授 伊藤 睦初期ひび割れ問題の検討、構造物・部材の構造性能予測 コンクリート構造物は、コンクリート打込み後の温度応力や乾燥収縮などにより、予期せぬひび割れが発生したり、供用期間中の環境作用や地震などの外力作用により、耐久性や安全性が低下したりすることがある。設計体系が性能照査型設計となり、構造物の長寿命化が求められている昨今、施工時にひび割れを発生させないための検討、維持管理計画の策定や補修・補強方法の検討などには、今後益々数値解析技術の活用が求められると考えられる。 本研究では、コンクリート構造物に生じる初期ひび割れや、そのひび割れ幅、およびその初期損傷状態下でのコンクリート構造物の耐荷性能を予測可能な解析技術の開発を進めることにより、構造物の各種性能変化が予測可能なライフサイクルシミュレーション技術の開発を目指している。本研究成果の一部を日本コンクリート工学会の3次元温度応力解析ソフト(JCMAC3)に導入することにより、ソフトの更なる高度化を進めている。【研究テーマ】●時間依存性コンクリート構成則の開発●初期ひび割れ幅予測の高精度化に関する研究●初期応力解析と耐荷力解析の連成解析コンクリート構造物、数値解析、初期ひび割れ問題、性能照査キーワード相談に応じられる内容キーワード相談に応じられる内容独自HP土の微視的構造の評価と見えない地盤の診断評価SUGII Toshio  工学部 都市建設工学科教授 杉井 俊夫地盤の透水性制御、地盤の透水性・保水性の評価1.土の三相構造からみた物性・現象の評価(左図上部) 土は土粒子(固相)、間隙空気(気相)、間隙水(液相)の三相からなっており、間隙空気と間隙水の合わせた部分は間隙と呼ばれます。土中の構造をみると大きな間隙(径)や小さな間隙(径)が存在しており、その分布状態により間隙構造が異なり、工学的性質も異なってくることが経験的に知られています。本研究室では、土の間隙径分布状態から目詰まり、透水性等、力学的・工学的性質を明らかにし地盤の様々な現象を解明することを目指しています。 【研究テーマ】●間隙径分布~粒度~間隙率の関係と推定法●土中の目詰まりや堤防の内部浸食(パイピング)・外部侵食(越流)●団粒化技術の減災・環境技術への適用2.見えない地盤内の診断評価(左図下部) 岩盤を含めた地盤の内部は外からは見ることができません。内部を調べるためにボーリング調査が有効ですが、高価でポイントデータとなるため、多くを実施することは現実的ではありません。本研究室では簡易な方法で現場の地盤を可視化評価する技術の提案を行っています。 【研究テーマ】●簡易貫入試験による鋸歯状波形を用いた地盤構造の推定●重力異常による亜炭鉱跡地の危険度評価●原位置での透水特性・保水特性の測定技術の開発地盤災害、豪雨、地震、堤防、斜面、浸透破壊、不飽和土、団粒化材料、亜炭層キーワード工学部工学部

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る