中部大学研究紹介2023
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12キーワード相談に応じられる内容写真1. 高層マンション火災の例写真3. 消火ドローンの内部写真2. 消火ドローン写真4. 運転シミュレータ人に優しい機械を目指した協調工学TAKADA Hajime工学部 機械工学科特任教授 高田 一人間-機械系インタフェース、自動車ドライバの認知・判断・動作および感性、福祉機器、耐震工学、リハビリテーションの測定●「ドローンを使った消火システム」に関する研究を行っている。左上の写真1はアメリカのハワイ州で2017年7月14日に発生した36階建て高層マンションの火災である。(出典、CNN.co.jp「米ホノルルの高層住宅ビルで火災、3人死亡 火元は26階」、2017.07.15)。日本でも、平成16年から25年までの10年間に東京消防庁管内で15階建て以上の建築物から出火した火災は、1185件あり、共同住宅以外でも出火階が11階以上の火災が224件で高層ビルの増加とともに火災も年々増加している。しかし、日本の消防署のはしご車は地上11階までしか届かない。そこで、消防車が到着する前に管理人の操作で、約1分で20階まで到着させることができる消火ドローンを開発している。ドローンから消火ボールを投げ入れ、初期の段階で消火することができるものを目指す。(写真2、写真3)●「自動車運転における安全性」という課題で研究を行っている。当研究室で作成した運転シミュレータ(写真4)でドライバの認知・判断・操作の情報を取得し、自動運転など、実験で得られたデータを基にガイドラインなどの作成を目指している。その結果として、実車での実験や実車の一部をシミュレータと組み合わせた実験が可能と思われる。●その他、「安心して生活できる社会」というテーマで人間工学、リハビリテーション、福祉機器の開発などを行っていきたい。例えば、これまで、高齢者の施設において歩行やリハビリのデータを測定し、これからの高齢化社会における標準的なデータベース作成は行っている。人間-機械系、ドライバの認知・感性、福祉機器キーワード相談に応じられる内容塑性加工シミュレーションの高精度化HAMASAKI Hiroshi工学部 機械工学科准教授 濱崎 洋塑性加工シミュレーションの高精度化、市販ソフトウェアへの高精度モデル導入、材料試験、材料モデル開発、その他プレス成形全般に関する相談 高張力鋼板をはじめとする難成形材のプレス金型設計には数値シミュレーションの活用が不可欠であり、成形品形状や割れの予測精度向上が求められている。 本研究室ではプレス成形で想定される複雑な変形履歴を模擬した材料試験を実施し、得られる応力‐ひずみ特性を高精度に再現できる材料モデルを開発することでシミュレーションの精度を向上する研究を行っている。また、高精度な材料モデルを手軽に活用するための材料試験や、パラメータ同定手法も提案している。【研究テーマ】●ステンレス鋼板の弾性異方性を考慮したスプリングバック予測 ●バウシンガー効果の方向依存性とスプリングバック予測への影響●繰返し曲げ試験による移動硬化モデルのパラメータ同定手法開発●材料モデルのパラメータ自動決定ソフトウェアの開発●加工誘起マルテンサイト変態を考慮したSUS304の材料モデル開発●アルミニウム合金板の温間変形特性とそのモデル化●応力緩和に起因する時間依存スプリングバックの研究 などプレス成形シミュレーション、材料モデル、材料試験、パラメータ同定工学部工学部

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