中部大学研究紹介2024
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13キーワード相談に応じられる内容コンクリート構造物のライフサイクルシミュレーションITOH Atsushi工学部 都市建設工学科教授 伊藤 睦初期ひび割れ問題の検討、構造物・部材の構造性能予測 コンクリート構造物は、コンクリート打込み後の温度応力や乾燥収縮などにより、予期せぬひび割れが発生したり、供用期間中の環境作用や地震などの外力作用により、耐久性や安全性が低下したりすることがある。設計体系が性能照査型設計となり、構造物の長寿命化が求められている昨今、施工時にひび割れを発生させないための検討、維持管理計画の策定や補修・補強方法の検討などには、今後益々数値解析技術の活用が求められると考えられる。 本研究では、コンクリート構造物に生じる初期ひび割れや、そのひび割れ幅、およびその初期損傷状態下でのコンクリート構造物の耐荷性能を予測可能な解析技術の開発を進めることにより、構造物の各種性能変化が予測可能なライフサイクルシミュレーション技術の開発を目指している。本研究成果の一部を日本コンクリート工学会の3次元温度応力解析ソフト(JCMAC3)に導入することにより、ソフトの更なる高度化を進めている。【研究テーマ】●時間依存性コンクリート構成則の開発●初期ひび割れ幅予測の高精度化に関する研究●初期応力解析と耐荷力解析の連成解析コンクリート構造物、数値解析、初期ひび割れ問題、性能照査キーワード相談に応じられる内容独自HP土の構造の制御と活用  SUGII Toshio  工学部 都市建設工学科教授 杉井 俊夫地盤の透水性制御、地盤の透水性・保水性の評価 地盤災害、豪雨、地震、堤防、斜面、浸透破壊、不飽和土、団粒化材料社会実装分野グリーンインフラとの融合、「アーバン・グリーンダム」の実現団粒化された土の科学的探究と新たな活用 土の団粒化は農業分野において植物の生育環境を改善する手段として古くから用いられている。団粒化技術を工学的に用いることにより、豪雨の地盤への浸透を促進することで河川への負荷を軽減でき、また保水性が向上するためヒートアイランド現象を抑制することが可能となる。既に実務において全国で用いられ、春日井市内の小中学校の多くのグランドで使用されている。本研究室では、実務が先行している団粒化技術の耐久性や構造、制御技術について科学的に評価・実証することを進めている。また、新たな活用を模索しており、埋設管の埋戻し土を団粒化させることで液状化防止に役立つことも得ている。 アーバン・グリーンダムプロジェクトとはグリーンインフラと団粒化技術の融合で都会の中に、環境改善を目指した緑とダムの機能を生み出すことを目指すもので国交省より支援を受けて実証試験を行っている。【研究テーマ】●締固め時の含水比がつくりだす土の構造変化と透水特性 ●間隙径分布の測定による土の構造評価 ●AIによる堤防天端の縦断亀裂からの堤体内部液状化のリスク評価●土質試験の自動化技術の開発●アーバン・グリーンダムの効果検証工学部工学部

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