中部大学研究紹介2023
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19キーワード相談に応じられる内容金属酸化物クラスター (ポリ酸) の高機能化の研究ISHIKAWA Eri工学部 応用化学科教授 石川 英里ポリ酸の合成、単結晶X線構造解析 ポリ酸(Polyoxometalate)は数個から数百個のMoやWなどの金属原子が酸素原子と規則正しく結合した ナノサイズの分子状アニオンクラスターであり、多岐にわたる骨格構造を持つ。その物性(酸化還元特性や酸強度、自己集合化の挙動など)は構造や構成元素によって大きく変化する。本研究室ではこれらをコントロールしながら新規な機能性ポリ酸の合成を行い、その物性評価を行っている。【研究テーマ】●光化学反応を用いたポリ酸の合成  電荷移動(LMCT)吸収帯へのUV光照射で開始するポリ酸の光化学反応に よってシンプルな反応系でポリ酸の還元を行い、種々の混合原子価状態を 持つポリ酸の単離に成功している。●ポリモリブデン酸の電気伝導性の評価 ポリ酸には固体酸として機能し、プロトン伝導性を示すものがある。本研究室 ではNa3[PMo9O31(H2O)3]·13H2Oなどのポリ酸の電気伝導性を評価し、高温で 作動する固体電解質としての可能性を探っている。●ポリタングステン酸の酸化触媒反応 ポリタングステン酸の均一系酸化触媒能を検討している。対カチオンを有機 アミンに変換して有機溶媒への溶解度を向上させ、選択性の高い触媒反応系 の構築を目指している。ポリ酸、金属酸化物クラスター、触媒、光反応、構造解析[H2MoV12O28(OH)12(MoVIO4)4]6-[H14MoV24MoVI13O112]12-[PMo9O31(H2O)3]3-[P(TiO2)2W10O38]7-[(VO)3 (SbW9O33)2]12-キーワード相談に応じられる内容環境調和型機能性セラミックス材料の創製-材料プロセッシングと物性解析の融合を目指して!-SAKAMOTO Wataru工学部 応用化学科教授 坂本 渉機能性物質のナノコーティング、新規機能性セラミックスの開発、機能性セラミックス(+複合材料)製造におけるプロセス要因解析機能性物質、強誘電体・圧電体材料、材料プロセッシング 様々な機能を有する結晶性無機材料を中心に、材料の設計、合成、評価(物性解析)のサイクルを回すことにより新しい材料を創り出しています。また、材料合成に関わるプロセス中の重要な因子を明らかとし、実際の応用への可能性を追求しています。電荷を貯める(誘電性)、電圧印加により伸縮する(圧電性)、磁石のような性質を示す(磁性)、電荷が移動する(電気伝導性)など発現する物性別に様々な用途が考えられる機能性材料の薄膜化(あるいはナノコーティング技術の確立)については、溶液を用いる化学的な方法を採用して、通常の材料とは異なるミクロン以下のレベル(特にナノメータレベル)での機能発現を目標としています。さらに、各々の材料(バルク材料も含む)が有する基本的な特性を最大限に利用するために、化学組成・微細構造・結晶成長方位の制御法および正しい材料評価法の確立を行い、ターゲットとなる機能性無機材料(+複合材料)においては、低環境負荷かつ低コスト化の実現も目指します。【研究テーマ】●溶液を用いるケミカルプロセスによる機能性材料薄膜の合成●機能性材料薄膜の物性解析●誘電体・圧電体酸化物セラミックスのプロセッシング●機能性セラミックス材料の結晶成長方位制御と物性解析工学部工学部

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